ブランド アクセサリー 激安_│みんすり情報局 http://make.vntkg.com/blog vntkg.make発!3Dプリントメディア Mon, 22 Apr 2024 23:11:08 +0000 ja hourly 1 http://wordpress.org/?v=5.8.9 http://make.vntkg.com/blog/wp-content/uploads/2023/06/cropped-icon_512-32x32.png ブランド アクセサリー 激安_│みんすり情報局 http://make.vntkg.com/blog 32 32 「高精細プラスチック|MJT」と「高精細アクリル|MJT」を徹底比較 http://make.vntkg.com/blog/material/material-comparison/ Mon, 22 Apr 2024 22:30:50 +0000 http://make.vntkg.com/blog/?p=9166 今回は、vntkg.makeのなかでも、特に造形精度が高い既存素材「高精細アクリル」と新たに導入した高精度な新素材「高精細プラスチック」を徹底比較する記事となっております!

比較テストの概要

背景

vntkg.make 3Dプリントで高精度な素材といえば、「高精細アクリル|MJT」一択ではありましたが、「高精細プラスチック|MJT」をリリースしたため、高精度な素材の選択肢が増えました!

そこで、弊社のお客様で最も細かいモデルをご作成されている武蔵模型工房様に、新素材と既存素材を比較していただきました。

武蔵模型工房様はDMM.make3Dプリントサービスを活用されているお客様で
 鉄道模型やパーツを作り、クリエイターズマーケットに出品されています。

 

比較テストにご協力くださりありがとうございます!

 

概要

今回比較していただいたのは、既存素材の「高精細アクリル|MJT」と、新素材の「高精細プラスチック|MJT」になります。各素材で実際に造形したものを、率直にレビューしていただきました。

比較ポイント

  • 再現性
  • 強度
  • 表面の滑らかさ

 

新素材:高精細プラスチック|MJTとは

高精細プラスチック|MJTは、滑らかな表面仕上げを特長としており、塗装に適した素材で、細かな鉄道模型用途に最適です。32μmの積層ピッチで造形し、高精度でシャープなエッジを再現可能です。
機械特性においては、強度と剛性が高いプラスチックで、ドリル加工、タップ加工、機械加工ができ、最終製品の部品としても利用が推奨されています。

 

vntkg.makeでは高精度素材=高精細アクリルでしたが、価格を抑えた期待の新素材です!

 

既存素材:高精細アクリル|MJTとは

表面が滑らかで、繊細な3Dプリントができる半透明のアクリル樹脂です。積層ピッチが29μmであり、表面の積層段差が目立ちにくく、複雑な細かい形状や曲面もきれいに再現することができます。

 

武蔵模型工房様をはじめ、鉄道模型のパーツをご注文される方の多くの方にご注文頂いております。早速、どのように高精細アクリルと新素材が違うのかレビューしてみましょう!

 

物性表の比較

物性表を高精細アクリル|MJTと比較すると、高精細プラスチック|MJTの方が引張強度と剛性が高いプラスチックであるといえます。具体的には、後加工をすることに向いています

高精細プラスチック|MJTはその特性により、ドリル加工、タップ加工、機械加工ができ、最終製品の部品としても推奨されています。

素材名高精細プラスチック|MJT高精細アクリル|MJT
引張強度67MPa42.4MPa
引張弾性率3000MPa1463MPa
破断伸び率4%6.83%
曲げ強度100MPa49MPa
ノッチ付きアイゾット衝撃強度14J/m25 J/m
荷重たわみ温度 (0.45MPa)71℃56℃

 

 

高精細プラスチックは物性上、後加工に向いています!

 

 

【レビュー】新素材「高精細プラスチック|MJT」の良い点

①細部の再現性が高い

画像からも分かるように、小さな突起(リベット)の表現に優れています。
1mmにも満たない極小サイズにも関わらず、見事に再現!

また、武蔵模型工房様より「既存素材は裏がザラザラになり、細部も潰れてしまっているが、 新素材は裏面も表面と同水準の再現性がある」と、お褒めの言葉もいただきました!

※上:既存素材「高精細アクリル|MJT」
下:新素材「高精細プラスチック|MJT」

②表面が滑らか

新素材「高精細プラスチック|MJT」は、全体的にシャープに造形されており、表面が滑らかです。

特に、縦のラインが非常に綺麗に出ていますね!
積層痕による凹凸があまり見られず、横から見た状態でも綺麗なのが分かります。

※左:既存素材「高精細アクリル|MJT」
右:新素材「高精細プラスチック|MJT」

以下の造形物も、積層痕があまり残っておらず、表面が滑らかになっています。
※積層痕に関しては部品の形状に依存するためご注意ください。

※左:既存素材「高精細アクリル|MJT」
右:新素材「高精細プラスチック|MJT」

 

【レビュー】高精細アクリル|MJTの良い点

①細かい網目状の造形が得意

高精細アクリル|MJTは、メッシュなど細かい網目状の造形を得意としています!
塗装後も塗料でつぶれることなく、綺麗な状態を維持することが可能です。

※上:既存素材「高精細アクリル|MJT」
下:新素材「高精細プラスチック|MJT」

一方で、新素材「高精細プラスチック|MJT」も網目部分を綺麗に造形することができます。
どちらも精度は高いですが、より高精度を求めたい方は高精細アクリル|MJTがおすすめです!

※上:既存素材「高精細アクリル|MJT」
下:新素材「高精細プラスチック|MJT」

②耐衝撃性に優れている

「高精細アクリル|MJT」は、庇などの薄い部分も折れることなく綺麗に仕上がったとのことでした!
一方で、新素材「高精細プラスチック|MJT」の耐衝撃性に関しては、武蔵模型工房様より「0.3mm以下の肉薄箇所で衝撃強度が弱いが、他の箇所に関しては許容範囲かと思う」とコメントをいただいています。

また、画像内にて折れてしまっている庇部分は0.2mmとなっており、塗装中に欠けてしまったとのことです。造形中や納品中に折れてしまったわけではありませんので、ご承知おきください。

※vntkg.make 3Dプリントではいずれの素材も0.3mm以上の肉厚での出力を推奨しております。それ以下での造形は破損了承での造形となりますのでご了承ください。

※左:既存素材「高精細アクリル|MJT」
右:新素材「高精細プラスチック|MJT」

各素材のレビューまとめ

以上、各素材のレビューをご紹介しました。いずれも高精度な素材となっており、おすすめの使い分けは以下の通りです!

「高精細プラスチック|MJT」:

シャープに造形したい箇所での利用や、表面が滑らかさを求める場合

「高精細アクリル|MJT」:

衝撃強度を重要視される場合や、模様などのディティールを再現したい場合

 

後加工が生じる際は、高精細プラスチックがおすすめです!ご自身の優先順位に合わせて素材を選んでいただければと思います!

 

 

武蔵模型工房様のおすすめ模型

 
3Dプリンターで鉄道模型を作る際、どのような点にこだわっていらっしゃいますか?

 

 
 
床下機器など、あまり注目されにくいような細かい部分にも、再現性や精度などのこだわりを持って作っています。

 

 
 
そんな武蔵模型工房様の、おすすめの模型などはありますか?

 

 
 
1つは京阪2600系用パーツです。床下機器に細かい配管や様々な機器がビッシリ詰まっているのが特徴的な車両です。

 

 
 
プラの金型成形では再現できない細い配管類は、3Dプリンターの強みを感じられるパーツで、既製品の鉄道模型を簡単にグレードアップする事ができます。

 

 

 

 

 

 
もう一つは琴電旧型電車キットになります。細部まで細かく再現された床下機器や台車と、車体を合わせたセットです。

 

 
 
古い電車は同形式でも1両ずつ形状が異なるため、各車両に合わせて細かい差異も再現しています。床下の細い配管類から車体等の板状パーツまで、歪みやサイズの狂いなく綺麗に造形できるので綺麗に組み立てる事ができます。

 

 

 
どちらも大変素晴らしいですね。武蔵模型工房様の熱量が伝わってくるクオリティだと感じました。

 

 
 
ありがとうございます。ただ、ここまで細かく、かつ綺麗な鉄道模型が作れるのはvntkgさんあってのことだと思います。vntkgさんに出会ったからこそ、ここまでこだわれるようになりました。

 

 

今後の展望について

 
今後の展望について伺ってもよろしいでしょうか?

 

 
 
3Dプリンター自体が物凄く進化しているので、今後も3Dプリンターには注目していきたいと考えています。また、vntkgさんの金属素材が安くなっているということで、金属3Dプリントに挑戦したいですね。

 

 
 
74%OFFキャンペーンのことですね。鉄道模型でも金属は使われるのでしょうか?

 

 
 
強度が必要な部分や、電流を流す必要のある部分に使われています。個人的には、金属でどれだけ細かく造形できるのか気になりますね。精度面も、今後検証していけたらと思います。

 

 
 
金属素材の中では「アルミニウム|SLM」がおすすめです。お値段もお手頃で、比較的精度も出やすいかと思います。

 

 
 
そうなんですね。ぜひ検討したいと思います。

 

 
 
ありがとうございます。今後も、武蔵模型工房様の活動をサポートしていけたらと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 

 
 
こちらこそ、よろしくお願いします。

 

 
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3DプリントHPS造形方式を徹底解説-光造形の課題を克服- http://make.vntkg.com/blog/material/hybrid-photosynthesis/ Sun, 07 Apr 2024 22:30:32 +0000 http://make.vntkg.com/blog/?p=9231 この記事では、Axtra3D社が開発した新しい3Dプリント造形方式である「HPS造形方式」についてご紹介します。SLA・DLPとの違いや、HPSならではの特徴を詳しく解説していきます!

Axtra3D社の概要

Axtra3D社は2021年に設立された、3Dプリンターメーカーです。

既に12件の特許を申請しており、そのうちの4つは取得済みとなっています。
また、これらの特許を活用することで、HPS造形方式といったハイテクノロジーな3Dプリントを可能にしています。

これまでの光造形方式(液槽重合方式 / VPP)

SLA造形方式

SLA造形方式では、一筆書きのように、造形物の輪郭と断面を1層ごとに造形していきます。造形精度が高く滑らかな仕上がりを実現することができる一方で、一筆書きのように造形していくがゆえに、出力に時間を要するのがデメリットとしてあげられます。

DLP造形方式

SLAの造形速度の問題を克服するために開発されたのがDLP造形方式です。
プロジェクターを使用し、面で造形していくためSLA造形方式よりも早く造形することができます。しかし、DLP造形方式では、造形物のサイズが大きくなるほど解像度が粗くなってしまうというデメリットがあります。

つまり、表面の滑らかさを重要視するならSLA、生産性を重要視するならDLPという風に、SLAとDLPはトレードオフの関係にあります。

HPS造形方式とは

正式名称は「Hybrid PhotoSynthesis」といいます。

Axtra3D社の3Dプリンター「Lumia X1」に使われている造形方式です。
光造形の1つで、2種類の光源を使用して造形することで、SLAとDLPのトレードオフを解消することができます。

光源の仕組み

HPSでは、紫外線レーザー(SLA)とデジタルプロジェクター(DLP)の2種類の光源を、同じタイミングかつ同じ波長、同じエネルギーで照射しています。

特に重要なポイントは、樹脂を重合させるために、レーザーを常に一定のエネルギーで出力しなければならないということです。そのため、Axtra3D社は自社で製造したダイオードレーザーの出力を個別に分析しています。測定の際には特定のセンサーを使用しているのですが、このセンサーによって、どのダイオードレーザーでも正確なエネルギーが供給されていることを確認しています。

2種類の光源が造形物のどの部分を照射しているのかについてご説明します。
デジタルプロジェクターは造形物の大部分(内側)を照射しています。一方、紫外線レーザーは造形物の輪郭(表面)を照射しています。

この方法によって、造形物の大部分をDLPの速度で造形することができると同時に、表面をSLAと同等のクオリティに仕上げることが可能になります。

まさに、SLAとDLPの利点を両立した造形方式ということです!

表面の滑らかさ

※上半分:DLP 下半分:HPS

一般的なレーザーのスポットサイズが150ミクロンに対し、HPSのレーザーのスポットサイズは50ミクロンです。そのためレーザーを細かく照射することができ、表面をより滑らかに仕上げることができます。

※Lumia X1の解像度は素材と形状によって変動します。

【レーザーの真円度】
HPSにおける高品質を保証するには、プリンターの稼働時だけではなく、メンテナンス時にもレーザー形状を含む関連ビームパラメータを確認することが必要です。

そこで、Axtra3Dはアパーチャー径が9mmのビームプロファイラを使用しています。このビームプロファイル測定の精度と安定性により、レーザーのスポットサイズとレーザー方向を数百nmの3σ精度で測定することができます。

つまり、どの環境下でもビームの直径と形状を正確に把握することが可能です。

造形速度

8:20より、SLAとHPSの造形速度を比較した映像が流れます。

Axtra3D社によれば、SLAとHPSでは、1層を照射するのにかかる時間に大きな差があります。一般的なSLAが1分20秒かかるのに対し、HPSは3.60秒しかかかりません。

【事例紹介】
3D Printing Industryには、以下のようなことが記載されています。

「Powered by HPS technology, the Lumia printer is suited to a wide range of applications. One such application that has proven the technology’s capabilities is dental aligners. Via HPS, the printing time was five minutes per part, the same speed as the same aligner printed using a DLP technique and considerably faster than one printed using SLA (85 minutes). 」

引用元:3D Printing Industry「AXTRA3D OVERCOMES TRADEOFFS BETWEEN RESOLUTION, SPEED AND SIZE WITH HYBRID PHOTOSYNTHESIS TECHNOLOGY」

「HPSテクノロジーを搭載したLumiaプリンターは、幅広い用途に適している。そのようなアプリケーションのひとつに、歯科用アライナーがある。HPSを使用した場合、1パーツあたりの造形時間は5分で、これはDLP技術を使用して造形した同じアライナーと同じスピードであり、SLAを使用して造形したもの(85分)よりもかなり速い。」という意味です。

SLAよりHPSの方が、圧倒的に造形速度が早いことを示していますね。

HPSで造形した場合の後処理について

サポート材が付いている場合、硬化後にサポート材の除去が必要になります。

一方で、モデルの向きによってはサポート材は不要です。
加えて、サポート材が付かなかった場合、硬化後に研磨する必要もありません。

HPSなら、研磨が不要なほど表面を滑らかに造形することが可能です!

HPS造形方式の優れている点まとめ

以上、HPSについてご紹介しました。

HPSは、SLAとDLPの利点を併せ持つ非常に優れた造形方式です。
高い生産性を担保しながらも、高精度・高解像度なものを造形することができます!

HPSSLADLP
造形速度
表面の滑らかさ

HPS造形方式におすすめな素材

セラミック充填樹脂「セラミックライク|HPS|LumiaX1」

非常に優れた剛性と荷重たわみ温度(0.45MPa)280℃までの耐熱性をもつセラミック充填樹脂です。

  • 滑らかな表面仕上げ
  • 荷重たわみ温度(0.45MPa)280℃までの耐熱性
  • 10,000MPa の並外れた剛性
  • 優れた耐薬品性
  • 電気絶縁特性

本素材は、上記のような様々な長所があげられます。
積層痕が残らず滑らかな仕上がりになるため、後処理が不要という点が大きなメリットです。

射出成形型として、300ショットの実績があります!

こちらの素材は、vntkg.make 3Dプリントの受託造形サービスにてお試しいただけます!
また、弊社にてご注文いただいた場合、熱処理のオプションを付けることが可能です。
熱処理した場合、以下のメリットが得られます。

  • 色の白さが向上する
  • 耐熱性が上がる(荷重たわみ温度(1.82MPa)が132℃から162℃まで向上)
  • 耐候性が多少上がる

※耐候性に関しましては、素材の特性上、直射日光や室内灯に長時間暴露すると熱硬化をしていても変色を起こす可能性がございます。

その他、HPS造形方式で使用できる素材

HPSで使用できる素材の種類は多く、少量多品種生産に向いています。
HPSで使用できる10種類の素材のうち、2種類をvntkg.make 3Dプリントの受託造形サービスにてお試しいただくことができます。

1つ目は、先ほどご紹介した「セラミックライク|HPS|LumiaX1」で、2つ目は「ABSライク|HPS|LumiaX1」です。

「ABSライク|HPS|LumiaX1」は耐衝撃性に優れ、表面仕上げに優れた高強度エンジニアリングプラスチックです。タッピングやドリリングが可能なため自動車や工業用パーツ、治具など幅広い用途で使用可能です!

3Dプリンター「Lumia X1」について

今回ご紹介したHPSが使われているのがAxtra3D社の「Lumia X1」です。
2つの光源を1つの3Dプリンターに搭載するということ自体、非常に革新的な技術なのですが、このLumia X1には他にも優れた技術が数多く搭載されています。

そのうちの1つが「TruLayerテクノロジー」です。
メンブレンの下にあるガラス板に埋め込まれた3つのセンサーが、造形中のレイヤー間の不要な遅延を排除します。これによって造形物をメンブレンから素早く剝がすことができ、造形時間の短縮を実現します

高粘度の樹脂でも問題なく剥がすことができるため、使用できる素材の幅が広がるのもポイントです。

メンブレンから素早く剥がすことによって、品質や精度が落ちることはありませんのでご安心ください。

まとめ

HPS造形方式についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
高い生産性と優れた造形技術を同時に実現できるのは魅力的ですよね。

また、このHPS造形方式が使われている3Dプリンター「Lumia X1」ですが、vntkg.make 3Dプリントにて販売しております!

Lumia X1の詳細はこちらのページよりご覧いただけます。
3Dプリンターの導入を検討されている方は、ぜひご覧ください。

vntkg.make 3Dプリントは、様々な形で皆様のものづくりを支えてまいります!
Lumia X1や受託造形サービスに関して何かご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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筐体(きょうたい)とは?筐体設計のポイントや3Dプリンターで作る方法を解説! http://make.vntkg.com/blog/business/housing/ Mon, 18 Mar 2024 07:00:20 +0000 http://make.vntkg.com/blog/?p=8437 機械設計をするうえでかならず必要になるのが機器類を収める外装となる「筐体」です。
ここでは筐体の種類や製作工程について解説します。

なお、最近では3Dプリンターを用いて筐体設計を行うことで、製品全体の納期期間や費用面でのコスト削減が見込めます。今後の業務で筐体設計に携わる可能性がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

筐体(きょうたい)とは?

アーケードゲームの外側=「筐体」
アーケードゲームの機械も「筐体」と呼ばれています

筐体(きょうたい)とは、機器類を収める箱形の容器のことを指します。たとえば、わたしたちが普段使用しているスマートフォンやパソコンなどから、自動車や飛行機などの巨大なものも筐体の一種です。英語では「ケース(Case)」「ハウジング(Housing)」「エンクロージャー(Enclosure)」などとも呼ばれます。

筐体の種類

筐体の種類だけで言えば数え切れないほどになりますが、ここでは代表的な3つを紹介します。

樹脂筐体

樹脂筐体とはプラスチック(合成樹脂)製の筐体です。ABSやPPという樹脂を金型に流し込み、冷やし固める「射出成形」という方法でつくられます。金型次第で複雑な形状の筐体を量産することができ、軽量なのが特徴です。

ダイカスト筐体

ダイカスト筐体とは鉄やステンレスなどの鉄鋼素材や、アルミやチタンなど非鉄金属素材の板を使った筐体です。複雑な形状の筐体を量産する場合に使われ、量産に優れています。

板金筐体

板金筐体とはダイカスト筐体と同様に金属材料の板を使った筐体です。切り出した板材を曲げたり、溶接したりすることで箱のかたちに成形します。

筐体設計の流れとポイント

筐体設計とは機械設計の仕事のうちの1つです。機械設計は動きのない外装をつくる「構造設計」とモーターやギアなど動きのあるものをつくる「機構設計」の2つに分けられます。筐体設計は機械や電子回路などの部品を収納する重要な役割をもつ作業です。内部の機器類が問題なく作動するよう外部から守りつつも、運用面では軽量でなければなりません。
筐体設計は基本的に以下の流れで進みます。

1:構想設計

まず顧客となるターゲット層をどこにするのか、どのように使用するのかを検討します。サイズや重さ、部品の種類、デザインなど製品の基礎となる部分を企画者たちでまとめていきます。

2:基本設計

構想設計で話し合い決めた仕様をもとに具体的な設計図を作成します。実際にどのような部品や材料が必要なのかをCADやCAMなどの図面を作るソフトを用いて検討します。画面上でシミュレーションを行い、今後の工程で問題が発生しないようにしましょう。

3:詳細設計

基本設計で作った設計図をより製造段階で使用できるように調整していきます。設計の精度を高め、加工や組み立ての図面も作成します。製造にかかる金銭的・時間的な面からもコストを洗い出し、強度計算や熱流体シミュレーションなどを行うことも大切です。

4:生産設計

完成した設計図を工場で生産できるように整えていきます。工数が多すぎないか、削減できないかをチェックします。

5:試作品評価

設計した筐体を試作してさまざまな評価を実施します。ときには複数回試作を準備し、つくりに問題がないか検証データをとることも。さまざまな人々からのフィードバックを受け、問題があれば原因を突き止めて対策をします。最終確認が取れたら量産を経て一連の作業が完了です。

筐体の材料

筐体の材料は大きく分けて「金属」と「樹脂」の2種類に分けられます。それぞれメリットが異なるので、求める機能やコストを考えて使い分けることが重要です。

金属

金属のなかでも「鉄鋼」と「非鉄金属」に分けられます。鉄鋼は鋼(スチール)やステンレスなどで、硬くて割れにくいのが特徴です。熱処理によってさらに強度をあげることも。デメリットとしてはサビやすく、重量が大きくなりがちです。安価な素材なのでコスト面でも重宝されます。

非鉄金属はアルミニウムやニッケル、チタンなどです。入手がしやすく、加工性・耐熱性・耐腐食性に優れています。高い強度でありながら軽量なため、筐体としてもっとも用いられている素材です。

樹脂(非金属)

非金属の素材としてよく使われているのが、プラスチック(樹脂)やゴムなどの有機化学物です。金属に比べて強度や耐久性はありませんが、軽くて絶縁性に優れていることが大きなメリットです。加工性も良く、安価に量産が可能です。
そのほか非金属の分類としては、セラミックなどの無機化学物や、金属やプラスチックなど2種類以上の材料を組み合わせた複合材料などが含まれます。

筐体は3Dプリントで楽に安く作れる?

3Dプリンターで作るメリットには以下のようなものがあります。

  • 「コスト削減」
  • 「リードタイム短縮(すぐに早く造れる)」
  • 「素材の種類が豊富」
  • 「複雑形状が再現可能」

人件費などのコストを削減できる

3Dプリンターを用いることで、従来の筐体の設計から製造までの効率が大幅に向上します。パソコンの画面上で設計を行い、すぐに出力できることで工場を経由したり人員を確保したりする必要がなくコスト削減が見込めます。

リードタイムの大幅な短縮

なによりも3Dプリンターの良いところは、設計してすぐに出力をして現物を確認できることにあります。手触りや組み立てなど実際に見てみないとわからない箇所の確認時などに重宝されるでしょう。

素材の種類が豊富

プラスチックなどの樹脂に加えて、アクリルや金属製のものも素材として使えるようになってきました。造形可能なサイズや、歪みの問題がありますが今後改善されれば不自由なく使用できます。

複雑な形状が再現可能

切削加工などでは難しい造形物の中に造形物があるような構造など、複雑な形状も3Dプリントであれば無理なく実現できます。組み立て作業も不要にできるので、試作に用いれば作業効率が向上します。

筐体設計・量産に3Dプリンター活用例

テストマーケティング製品に3Dプリンターを活用! 理化工業株式会社

『GO Reserve』は行灯やスーパーサインがない車両で運行しているため、一目見て「予約した車だ」と分かりやすくする必要がありました。
そこで車両に搭載するための表示灯の筐体を作っていただきました。
引用:vntkg.make 3Dプリント「タクシーの表示灯を40点造形、追加注文も楽に。「3Dプリントは最もコストパフォーマンスが良い製法」GO株式会社 – 活用事例」

筐体を3Dプリンターで作ることでコスト削減に繋がるかも

機器類を収める筐体は3Dプリンターでも作ることが可能です。試作として用いれば、デザイナーやクライアントなどか瞬時にフィードバックをもらうこともでき、大幅な作業の効率化が見込めます。パソコンの画面上で設計ができるので、場所も選ばずに作業が行えるでしょう。
vntkg.makeでは3Dプリントの出力代行サービスをおこなっています。ぜひこの機会に筐体の作成をしてみてはいかがでしょうか。

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3Dプリント光造形方式(SLA方式)を徹底解説 http://make.vntkg.com/blog/modelingmethod/stereolithographyapparatus/ Wed, 13 Mar 2024 07:00:47 +0000 http://make.vntkg.com/blog/?p=8664 本記事では、3Dプリンターの造形方法のひとつである「光造形方式(SLA)」について詳しくご紹介します。
光造形の基礎知識やメリット・デメリット、他の造形方法との比較情報などを徹底的に、分かりやすく解説していきます!

光造形(SLA)とは?

SLAとは、英語で「Stereolithography Apparatus」の頭文字をとったものです。
日本語では「光造形(光造形方式)」もしくは「液槽光重合方式」と呼ばれます。

SLA方式では、液体状の樹脂に紫外線レーザーを照射することで樹脂を硬化させます。造形速度が早く量産に対応していることに加え、造形精度が高く滑らかな仕上がりになるのが特徴です。また、材料の選択肢が豊富なため、試作から治工具、最終製品化までと幅広い用途があります。

高精度で滑らかな質感を求める方におすすめの造形方法です。

光造形技術の歴史

実は、光造形は3Dプリンターの中で最も歴史のある造形なんです。
原理的な技術は1980年代に小玉 秀男氏が発明したとされていますが、当時、小玉氏の特許申請は成立まで至りませんでした。その後、3D Systemsの共同創設者兼最高技術責任者であるChuck Hull氏が開発・特許を取得し、世界で初めて光造形を商業化しました。

日本で最初に光造形機が導入されたのは1990年です。
株式会社インクスが導入し、受託製造サービスを開始しました。2006年に特許が失効してからは多くの企業で開発・生産され、現在では幅広い分野で利用されています。

コンシューマー向けの光造形3Dプリンターも開発・販売されています。

SLAの基本的な数値データ

vntkg.make3Dプリントで出力できるSLAの数値データや特徴を見ていきましょう。
各素材の特徴については、後ほど詳しく解説します。

寸法精度±0.2mm or 0.2%
最大造形可能サイズ縦1680×横780×奥行580(mm)
※上記は「エコノミーレジン|SLA」と「ABSライク|SLA」の最大造形可能サイズです
最小造形可能サイズD ≧ 5mm
W ≧ 5mm
H ≧ 5mm

光造形は3Dプリント造形方式の中でも寸法精度に優れています。
紫外線レーザーによって樹脂を硬化していくため、熱膨張や収縮が起こりにくいのです。

一方で、造形できるサイズや寸法精度は、使用する3Dプリンターと素材によって変わります。また、今回表に記載している素材は、vntkgで取り扱っている素材の一部です。他にも様々な特性を持った素材を取り扱っておりますので、ぜひ素材ページをご覧ください。

素材サンプルもご注文いただけます。

造形プロセス

まずは以下の動画をご覧ください。
3Dプリンターについて調べる際は、動画や画像などを見ながら仕組みを理解していくのがおすすめです。

それでは改めて、SLAという造形方式がどのようなプロセスを経て、高速度で高精度な造形を可能とするのかをお伝えします。
SLAの造形プロセスは以下の通りです

  1. タンク内を液体状の光硬化性樹脂で満たす
  2. 1層分の高さにプラットフォームを配置
  3. タンクの上or下からレーザーを照射
  4. プラットフォームが1層分昇降し、新たな液体樹脂が流れ込む
  5. 工程を繰り返し、積層する

STEP1 タンク内を液体状の光硬化性樹脂で満たす

光造形では液体の樹脂を使用します。

STEP2 1層分の高さにプラットフォームを配置

造形していく土台(プラットフォーム)をタンク内に設置します。

STEP3 タンクの上or下からレーザーを照射

一筆書きの要領で、1層ずつ造形していきます。

照射の方法は2種類あります。液面の上から照射する自由液面法と、ガラス板など透明な面を通して下から照射する規制液面法です。規制液面法の場合、逆さまに造形されていくため造形物の重さを考慮する必要があります。

数十ミクロンのレーザービームを照射しながら塗りつぶすように硬化していくことで、高精度な造形を可能にしているんです!

STEP4 プラットフォームが1層分昇降し、新たな液体樹脂が流れ込む

1層分の形状が成形されるごとに、プラットフォームも1層分昇降していきます。
自由液面法の場合は下に、規制液面法の場合は上にプラットフォームが移動します。

STEP5 工程を繰り返し、積層する

STEP1〜4の工程を繰り返し積層していくことで、造形物が製造されていきます。

他の造形方法に比べて積層痕が残らないのもポイントです。

造形後の後処理プロセス

光造形では後処理が欠かせません。
では、造形後にどのような処理が必要かを見ていきましょう。

STEP1 アルコール洗浄

造形物をプラットフォームからはがした後、造形物にこびりついた余分な樹脂を除去する必要があります。エタコールやIPAなどアルコール類に一定時間漬けておきましょう。

STEP2 二次硬化

光造形では、造形後に追加で紫外線や熱を当てることで、造形物の強度や耐熱性が上がります。ただし、材料ごとに硬化時間が決められている点、透明の材料は硬化が進むほど黄ばむという点には注意してください。

STEP3 サポート材の除去

硬化が完了した後、サポート材を除去していきます。
ニッパーでサポート材を1本ずつ切り離し、その後用途に合わせて研磨・塗装・コーティング等を行います。

基本的に、光造形ではサポート材が必要です。
サポート材とは、造形する際に造形物を支えてくれる支柱です。造形物が重力によって変形することを防ぎます。

光造形(SLA)を利用するメリット/デメリット

ここからは、SLAを利用するメリットとデメリットを紹介していきます。
造形する際のご自身の優先順位と照らし合わせながらご覧ください。

メリット①高精度でなめらかな表面を実現

光造形では材料が高温にならず熱収縮を起こしにくいことに加え、解像度も高いため、他の造形方法に比べて高精度な造形を実現することができます。

また、FDMなど他の造形方法よりも造形物の積層痕が残りにくいことがあげられます。
造形中に材料のレジン液が積層部分に垂れ流れることで、積層痕をカバーしてくれるのです。

フィギュアなど造形の見た目を重視する際は、光造形がおすすめです!

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メリット②複雑な形状の製作もできる

光造形では樹脂を硬化させる際、サポート材といわれる支柱が必要となります。このサポート材によって浮遊するような複雑な形状や、内部に空間を持つ立体物も造形することが可能です。

従来の製造方法では困難だったデザインの実現が可能になり、製品開発や研究開発などの分野で非常に役立っています。

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メリット③特殊な SLA 素材が利用可能

SLAが幅広い分野で利用されている理由の一つが、利用できる素材の豊富さにあります。現在、機能性や特性に応じて多様な種類の素材が開発されており、強度や耐熱性が高い樹脂から柔軟性が高い樹脂など、用途に合わせた樹脂が利用できます。

また、透明な光硬化性樹脂を用いることで、透明度の高いプリントが可能な点も光造形ならではです。光学部品やレンズなどの試作品から模型の透明パーツなど、透明性が求められる用途での利用が増えています。

デメリット①他の光造形に比べて出力に時間がかかる

SLAと同じ光造形であるDLPやLCDに比べて出力に時間を要します。
理由は、面ではなく一筆書きのように積層していくからです。

一方で、プリントする個数が増えても造形時間がほぼ変わらないというメリットもあります。

デメリット②太陽光に弱い

光造形では、光硬化性樹脂という紫外線で硬化する素材を利用します。
そのため、硬化後に太陽光などに長時間さらされると、造形物が黄ばんだり変形したりと劣化していきます。これらを防ぐためにも、使用前に透明なUVアクリル塗料でスプレーコーティングすることをおすすめします。

光造形で造形したものは屋外で使用しないようにしましょう。
また、光造形で使用する素材も冷暗所で保管しておくのがおすすめです。

デメリット③メンテナンスや後処理が煩雑

造形後の後処理プロセスでも述べたように、光造形は後処理が必要となってきます。
また、樹脂を入れるタンクの洗浄や定期的な交換を行うことで、前に使用していた素材が残らないようにすることも重要です。

vntkg.makeの造形サービスを使えば、サポート材の除去や機材メンテナンスの手間を省くことが可能です。

造形方式別比較表

以下に、各造形方式ごとの「おすすめ用途」「メリット」「デメリット」「素材」について表記してあります。

ただ、同じ造形方式の中でも造形速度が異なったり、使用する素材によって強度や耐熱性などが異なる場合があります。下記は各造形方式の目安となっているので、予めご了承ください。

材料押出方式光造形方式インクジェット方式粉末焼結方式マルチジェットフュージョン方式
おすすめ用途プロダクトの簡易的な試作、大型の造形物など精密なプロダクトの試作、宝飾品の原型などフルカラーのフィギュア、美術・撮影用の小道具など工業製品の内部パーツや治具など工業製品の内部パーツや治具、最終製品など
メリット安価で使いやすい精度が高い多様な素材や色を調べる精度や強度が高く、まとまった量も生産しやすい最終製品にも使える仕上がり
デメリット仕上がりのクオリティは他の方式に劣る洗浄や二次硬化など後処理が必要劣化や変色などが起こりやすい仕上がりはザラザラする仕上がりはザラザラする
仕組み固形のプラスチックなどを溶かしながら重ねていく液体レジンを光で硬化させるノズルから噴射したインクなどを硬化させる粉末状の素材を熱で焼結して固める粉末に熱を加えて融合する
素材プラスチックなど液体レジンなどフルカラー樹脂など粉末ナイロンなど粉末ナイロンなど

SLA/DLP/LCDの違いは?

光造形における3種類の造形方式の違いについて見ていきましょう。
本記事では「造形スピード」と「精密さ」に焦点をあてて比較していきます。

造形スピード

造形スピードの速さでいうと、DLPとLCDはほぼ同じ速さで、SLAが一番遅いです。
理由は以下になります。

まず、DLP(Digital Light Processing)は、液体樹脂にプロジェクターを使って面で紫外線を当てて造形していきます。面で造形するため、造形スピードが速くなります。

LCD(Liquid Crystal Display)も面で造形していくためスピードは速いです。DLPと異なる点は、プロジェクターではなく液晶ディスプレイを使用するということです。

最後にSLAですが、先ほど述べたように紫外線レーザーを点で照射し、一筆書きの要領で造形していくため、造形スピードは上記の方法に比べて遅くなります。

精密さ

結論から言うと、精密度の高さはSLA→LCD→DLPの順番です。

まず、SLAは先ほど述べた通り造形スピードが遅いです。しかし、紫外線レーザーが1点に集中して照射されていくからこそ、複雑で細かな造形も高精度で出力が可能になります。

次にDLPとLCDについてですが、点で造形していくSLAとは異なり、造形物が大きくなればなるほど完成品の解像度は下がり、ゆがみも発生しやすくなります。
しかしLCDでは、高解像度のパネルを使用することでこれらの問題を克服しています。

以上の理由から、SLAが一番精密度が高く、続いてLCD・DPLという順番になります。

一方で、LCDパネルは熱と紫外線に弱いため、定期的な交換が必要になります。中長期で見ると、LCDのランニングコストはDPLよりも高くなりやすいというデメリットがあります。

光造形3Dプリンターの選び方

ここからは、光造形3Dプリンターを選ぶ際のポイントについて解説していきます。
押さえておくべきポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

用途

まずは「何(造形物)を」「どのような用途」に使いたいのかを明確に決めましょう。
光造形で特におすすめの用途は、

・試作品の作成、プロトタイピング
・フィギュアやアクセサリーの原型
 などです。

価格

光造形3Dプリンターの価格帯は幅広いです。
10万円以下で買えるものもあれば、1,000万円以上するものも。

価格は造形できるサイズや、レジンの自動補充機能・専用ソフトウェアの有無などによって変わってきます。自分が造形したいものの大きさや、どのような機能を必要としているのかを基準に、3Dプリンターを選びましょう。

また、3Dプリンターごとに使用できる素材の種類が異なるだけでなく、素材も種類によって価格が上下するため注意が必要です。

このように、光造形3Dプリンターの機材や素材の種類は数多くあります。「何を選んだらいいか分からない」「もっと気軽に光造形3Dプリンターを使用したい」という方には受託造形サービスがおすすめです。

受託造形はvntkg.make!|金属・フルカラー3Dプリンターも|サービス選びの5つのポイントをご紹介

vntkgのおすすめのSLA素材

ここで、vntkg.make 3Dプリントにおいて、SLAにご使用いただける素材の一部についてご紹介します。どの素材もプロトタイピングや機能試作、最終製品化など幅広い用途がありおすすめの素材です。

試作プロレジン|SLA

試作プロレジン|SLA

耐久性、耐水性に優れた安価なレジン素材です。
低価格ながら、靭性と強度に優れており機能試作などにもお使いいただけます。プロトタイピングや機能試作だけでなく、部品・工具・パーツなどに幅広くご利用いただけます。

光造形樹脂樹脂の精度・表面の滑らかさに加え、0.1mmの積層ピッチで造形することで短納期を実現しています。量産対応も可能な素材です。

詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
【安くて短納期】vntkg.make 3Dプリント素材紹介「試作プロレジン|SLA」

エコノミーレジン|SLA

エコノミーレジン|SLA
大型造形可能な安価なレジン素材です。
低価格でプロトタイプを製作する用途に最適で、量産にも対応しています。

ABSライク|SLA

ABSライク|SLA

ABSに近い物性を持つ安価なレジン素材です。
取り扱い素材の中で造形サイズが最も大きく、大型の造形のご注文にも対応しています。量産対応も可能な素材です。

その他光造形素材

以下の素材はSLAと名前は異なりますが、SLA方式で使用する素材ですのでご紹介します。

ゴムライク|LFS

ゴムライク|LFS

LFSとは「Low Force Stereolithograph」の略で、Form3で出力されたElastic 50AというショアA硬度50Aとなる軟質ゴムライク、あるいはシリコンライク材料です。
曲げ、伸び、圧縮等の負荷に強く、それらの環境下でも割れずに元の形状に戻ることができます。
シリコン部品の試作品や衝撃吸収部材、ワーク受け用の治具、ピックアンドプレースロボット等のエンドエフェクタ、ウェアラブルデバイスの試作品など幅広く活用されています。

ABSライク|LSPc|NXE400

ABSライク|LSPc|NXE400

LSPcとはNexa3Dが開発した独自の技術「 Lubricant Sublayer Photo-curing 」の略です。
ABS相当の強度を持つ、超高速造形の量産向きABSライク素材となっています。
造形速度が早いため、他の取り扱い素材と比べて比較的早くお届けすることができます。

気軽に光造形を利用したい場合は、外注がおすすめ

以上、光造形について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
光造形は、圧倒的な高精度と造形スピードを誇る造形方式です。利用できる素材も多く、プロトタイピングから最終製品化にまで利用できる点も魅力的ですよね。
しかし、3Dプリンターを購入するとなると導入コストがかかってしまいます。また、設置場所の確保や機材のメンテナンスも必要になります。

そこでおすすめなのが「外注サービス」です。
外注サービスを使えば初期費用を抑えられますし、造形したいときにだけ利用できるので、ランニングコストがかかりません。

また、vntkg.make 3Dプリントでは、

・即時見積もり&最短翌日出荷
・費用が国内最安値級
・高品質なプリンタを導入

などなど、お客様のニーズに合わせたサービスを提供しております。
ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。

また、よくあるご質問と回答はヘルプページにて記載しておりますので、こちらも参考にしていただけたらと思います。

皆様のご利用、お待ちしております。

vntkg.makeの3Dプリントサービスとは? 12の魅力を伝えたい

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金属を3Dプリントする10種類の方法|『All3DP Pro』翻訳・転載記事 http://make.vntkg.com/blog/modelingmethod/international-metal-3dprint/ Fri, 08 Mar 2024 07:00:00 +0000 http://make.vntkg.com/blog/?p=9026 ※ この記事はAll3DP.com掲載の記事「How to 3D Print Metal: The 10 Best Ways」を翻訳・転載したものです。

金属を使った3Dプリンティングは、少し前までは産業界だけのものでした。しかし昨今、金属3Dプリントは、より多くの種類のプリンターで、より幅広い価格帯で、より多くのサービスから利用できるようになっています。さらに、金属3Dプリンター市場に参入する企業が増え、絶え間ないイノベーションに拍車がかかっています。

Raise3DのMetalFuse 3Dプリンターでの金属部品のプリント(出典:Raise3D

中小企業はステンレス鋼の交換部品を3Dプリントしている一方で、航空宇宙企業は複雑なニッケル合金製ロケットスラスターを3Dプリントしており、まったく同じ技術や材料を使用しているわけではありません。実際、金属を3Dプリントする方法は少なくとも10種類あり、材料の選択肢は何千とは言わないまでも何百もあるのです。

ここでは、最も安価な方法、最も速い方法、最も精密な方法、そしてその中間のすべてを取り上げ、3Dプリンターを購入するかサービスを利用するかにかかわらず、あなたの用途に最適な方法を選択できるようにします。

それでは、金属パーツを3Dプリントできる10の方法と、どのような金属でプリントできるかを見てみましょう。

金属を3Dプリントする10の方法

GE Additiveの3Dプリンターを使用した金属製工業部品の3Dプリント(出典:GE Additive)

金属パーツを3Dプリントするおよそ10の方法は、金属フィラメント、金属パウダー、金属ワイヤーを使ってプリントするかどうかに基づいて、緩やかに技術カテゴリーに分類されます。材料のオプションとして、金属を注入した樹脂、金属ロッド、金属ペレットもあり、すべて異なる属性のパーツを製造します。

金属3Dプリントの技術

  • 金属フィラメントを用いた熱溶解積層(Metal Filament Fused Deposition Melting / FDM)
  • レーザー粉末焼結(Laser Powder Bed Fusion / LPBF)
  • 電子ビーム粉末焼結(Electron Beam Powder Bed Fusion, aka Electron Beam Melting / EBM)
  • 金属バインダージェッティング(Metal Binder Jetting)
  • ワイヤーアーク方式(Wire Arc Additive Manufacturing / WAAM)
  • レーザーによる指向性エネルギー堆積法(Laser Directed Energy Deposition (Laser DED)
  • 電子ビームによる指向性エネルギー堆積法(Electron Beam Directed Energy Deposition / eBeam DED)
  • マイクロ3Dプリント(Micro Metal 3D Printing)
  • コールドスプレー(Cold Spray)
  • 溶融金属を用いた方式(Molten Direct Energy Deposition)

どの金属技術を使うかは、ニーズとのバランスに左右されます。細部や形状の重要性、サイズ、強度、金属の種類、コスト、印刷速度、体積を考慮しましょう。残念ながら、超強力なパーツを素早く、安く、完璧に3Dプリントする方法はありません。

>> ALL3DPの記事「 Metal 3D Printing – The Ultimate Guide 」を読む <<

技術サイズコスト最小積層レイヤー最高速度
FDM/Extrusion小〜中$0.05 mm〜500 mm/s
LPBF小〜中$$$0.02 mm〜25 cm³/h
EBM小〜中$$$$0.07 mm55 – 80 cm³/h
Metal Binder Jetting小〜中$$$0.035 mm1,500 cm³/h
WAAM大〜特大$$1 mm2.2 kg/h
Laser DED 中〜大$$$$0.2 mm500 cm³/h
eBeam DED中〜大$$$0.2 mm2,000 cm³/h
Micro 3D Printing極小〜中$$$$0.005 mm〜300レイヤー/h
Cold Spray中〜大$$0.38 mm100 g/m
Molten Direct Energy Deposition中〜台$$$$0.015 mm320 cm3/h
メタルジェットと呼ばれるHPの金属バインダージェット技術を使用した3Dプリント部品(出典:All3DP)

異なるものを比較する

上の表でわかるように、すべての金属3Dプリント技術の特徴が同じ方法で測定されるわけではありません。造形速度は、材料によって異なりますが、堆積した材料の重量で記録される技術もあれば、材料の面積で記録される技術もあります。これらの速度は、プリントされるパーツの形状にも影響されます。さらに、特定のテクノロジー内のすべての3Dプリンターが同じ速度を達成できるわけではありません。

レイヤーの高さは、微細なディテールをプリントする技術の能力を示す手がかりとなることが多いですが、これも厄介な測定値といえます。レイヤーの高さは、使用する材料、パーツの形状、プリント速度に影響されます。

1つの技術に投資する前に、複数の3Dプリンターメーカーにサンプルパーツ(同じパーツ)を依頼してください。サンプルパーツには、パーツのプリントにかかった時間、プリンターが一度にプリントできるそのサイズと形状のパーツの数、パーツ1個あたりの価格、材料の消費量に関するレポートが添付されているはずです。

>> ALL3DPの記事「 Commercial 3D Printers: 6 Easy Steps to a Purchasing Decision」を読む <<

FDMと押出方式

FDMプリンターでForward AMのステンレススチールフィラメントを使用して3Dプリントされた金属部品(出典:Ultimaker、IGo3D)

3Dプリントには、押し出しに該当する技術がいくつかあります。1つは、プラスチックベースに金属粒子を均一に注入したフィラメントを使用する、おなじみの溶融積層造形(FDM)です。金属パーツ用の金属フィラメントは、金属粉末の割合が高く(約80%)、プラスチック成分を除去して金属パーツを凝縮するための後処理段階を経なければなりません。市販されているいくつかのデスクトップFDMプリンターは、ステンレス鋼(316L、17-4 PH)、銅、チタンなどの利用可能な金属フィラメントでプリントすることができます。

>> ALL3DPの記事「Real Metal Filament 3D Printing – The Ultimate Guide」を読む <<

別の技術では、基本的に金属の濃度がはるかに高いフィラメントを使用します。そのため、実質的に金属の固い棒のようなものですが、それでも加熱して押し出すことができます。これらの材料は通常、MarkforgedやDesktop Metalといった特定の3Dプリンター専用で、通常のFDMよりはコストがかかりますが、他の金属3Dプリント方法よりは安価です。

3番目に挙げる金属押し出し法(産業分野ではもっと多くの種類がありますが)は、金属ペレットを使った押し出しで、これは射出成形で使われる材料と同じであるため、低コストであったり、特別に作られたペレットであったりします。金属ペレットプリンターはまだ多くはなく、Pollen がそのひとつですが、この分野は急速に成長しています。

レーザー粉末焼結

プリンターメーカーSLM社の粉末床融合機はさまざまなサイズがあり、レーザーを使用して金属粉末を融合する(出典:SLM)

金属LPBFは、現在最も広く使用されている金属3Dプリント方法です。これらの3Dプリンターは、高出力レーザーを使用して金属粉末を層ごとに選択的に溶かしていきます。この技術は、プリンター固有の用語とともに、選択的レーザー溶融または粉末床融合と呼ばれることが多いです。溶融したパーツは、均質なモデルが完成するまで分子レベルで融合します。プリンターオペレーターは「純粋な」金属材料を使用できますが、合金も定期的に使用されます。

LPBF 3Dプリンターは金属原料粉末を収容します。プリンターは粉末をチャンバーに押し込み、リコーターブレード(フロントガラスのワイパーのようなもの)またはローラーが、基盤または造形プレート全体に粉末を薄く広げます。次に、高出力レーザーが粉末材料を選択的に溶かし、部品の二次元スライスを融合していきます。その後、ビルドプレートが1つの小さな層の高さだけ下がり、リコーターブレードが新しい粉末の別の層を表面に広げます。プリンターは、完成部品ができるまでこのステップを繰り返します。

金属LPBFは、EBMよりも優れた初期表面仕上げと高い精度を持っています。

>> ALL3DPの記事「Selective Laser Melting (SLM 3D Printing) – The Ultimate Guide」を読む <<

電子ビーム粉末焼結

電子ビームによる粉末床融合は、高速プリントと高い生産力で重宝されている。これらの外科用インプラントは、GEアディティブのArcam 3Dプリンターでプリントされた(出典:GEアディティブ)

電子ビーム溶解は3Dプリンティング技術のひとつで、材料として金属粉末を用い、エネルギー源として電子ビームを使用します。主に導電性金属に使用されています。すべてのEBM 3Dプリンターは、電子ビームを放出できるエネルギー源、粉末容器、粉末フィーダー、粉末リコーター、加熱造形プラットフォームで構成されています。注意すべき重要な点は、プリント工程は真空中で行わなければならないということ。そうしないと、電子ビームの電子が気体分子と衝突し、電子ビームが「死んで」しまうからです。

EBMは、電子ビームエネルギーのパワーが高いため、SLMよりも高速で、金属LPBFよりも残留応力の低い部品を製造することができます。

>> ALL3DPの記事「Electron Beam Melting (EBM 3D Printing) – The Complete Guide」を読む <<

GEの電子ビーム溶解技術を使用してZenith Tecnicaがチタンで3Dプリントした整形外科インプラントのサンプル(出典:Zenith Tecnica)

上の写真の股関節と膝のインプラントのサンプルは、電子ビーム溶解(EBM)を使用してプリントされました。これらのような部品は、複雑な細部まで作り込まれ、高価なチタンで作られ、医療用インプラントの政府基準を満たすために非常に高い材料品質と公差で構成されています。EBM 3Dプリンターの真空環境は、クリーンで制御された造形条件を保証し、高出力の電子ビームは、プリンターが1回の造形で複数のパーツを製造することを可能にし、高い生産性を実現します。

金属バインダージェッティング

バインダージェッティング技術を使った金属部品(出典:Markforged)

金属バインダージェッティング(ポリマーバインダージェッティングとは対照的)は、金属粉末と液体バインダまたは接着剤を使用して部品を形成します。他の積層造形プロセスと同様に、バインダージェッティングは内部チャネルや構造を持つ複雑な部品を製造することができ、溶接の必要性をなくし、部品点数や部品の重量を減らすことができます。バインダージェッティング用に金属部品を再設計することで、材料の使用量や無駄を劇的に減らすことができます。

全体として、金属バインダージェット部品の材料特性は、金属部品の大量生産に最も広く使用されている製造方法の一つである、金属射出成形で製造された金属部品と同等です。さらに、バインダージェット部品は、特に内部の溝において、より高い表面平滑性を示します。

バインダージェット金属はLPBFよりも高速であるため、より大量のバッチ生産に選択されることが多いです。印刷後、部品を加熱してポリマーバインダーを除去し、固化させていきます。金属に空隙を持たせられるため、実際には、インプラントなどの医療用途でより軽い最終部品を実現するために使用されており、ニーズの高い機能と言えます。

市場に出回っている金属バインダージェッティング装置はほんの一握りです。トップ3は以下のリンクの記事で比較されています。

>> ALL3DPの記事「Binder Jetting Metal 3D Printing: Desktop Metal vs. HP vs. Markforged」を読む <<

Cobra Golfは2020年に3DプリントのKing Supersport-35パターを発表した。HP Multi Jetメタルバインダージェットを使用して3Dプリントされている(出典:Cobra Golf)

上記のCobra Golfのゴルフクラブは、HPの金属バインダージェットを使用して3Dプリントされました。このユニークな形状は、他の製造技術では作ることができませんでした。同じパーツが何千個も必要だったため、このメーカーはスピードとスループットを重視してバインダージェッティングを選択したのです。また、この技術は優れた表面仕上げを実現します。Cobra Golfはまた、クラブ製造を米国の添加剤メーカーに再委託することで、アジアの製造拠点からの輸送にかかる環境コストと実質コストを削減することができました。

ワイヤーアーク方式

MX3Dのワイヤーアーク方式で作られた部品(出典:MX3D)

ワイヤーアークアディティブマニュファクチャリング(WAAM)は、材料として金属ワイヤーを使用し、エネルギー源として溶接とよく似た電気アークを使用します。アークは、ロボットアームによって多軸ターンテーブルのような表面上に層状に堆積されるワイヤーを溶かします。溶接と同様、酸化を防ぎ、金属の特性を改善または制御するために不活性ガスが使用されています。

このプロセスでは、材料が徐々に造形され、完全な3Dオブジェクト、または既存のオブジェクトの修復が行われます。取り外すべき支持構造(サポート材)はなく、完成した部品は、必要に応じてCNCで厳しい公差に機械加工したり、表面を研磨したりすることができます。また通常、プリント部品は熱処理を受けて残留応力を緩和します。

この技術では、溶接やその他の技術で使用されるのと同じワイヤー材料を使用することが多いので、その点では経済的と言えます。

>> ALL3DPの記事「WAAM! What Is Wire Arc Additive Manufacturing?」を読む <<

WAAM 3Dプリンティングを使用して3Dプリントされたクレーンフック(出典:Huisman)

上の巨大なクレーンフックは、ワイヤーアーク方式でプリントされた後、機械加工されたものです。このような非常に大きく重い部品は、鍛造や鋳造などの従来の金属製造方法よりも短時間で製造でき、強度も同等であるため、WAAMに最適です。さらに、この部品は、必要となる場所に近い施設で生産することも、石油掘削施設などの現場で生産することもできます。

レーザーによる指向性エネルギー堆積法

DMG Moriのレーザーと金属粉末を使用した指向性エネルギー堆積技術を用いて3Dプリントされた金属部品(出典:DMG Mori)

レーザー(電子ビームとは異なる)を使用した指向性エネルギー堆積法(DED)は、レーザーで金属材料を溶かし、同時にノズルで堆積させる方式。金属材料は粉末状またはワイヤー状です。完全な部品を製造する能力がありますが、この技術は通常、既存の物体の修理や材料の追加に使用されています。CNC機械加工と組み合わせると、精密な完成部品を作ることができます。

DEDシステムはLPBFシステムとは異なり、使用されるパウダーのサイズが大きく、より高いエネルギー密度を必要とすることが多く、その結果、LPBFシステムと比較して造形速度が速くなります。しかし、これは表面品質の低下につながり、追加の機械加工が必要になる場合があります。LPBFシステムで一般的に使用される支持構造は、DEDではほとんど使用されないか、まったく使用されません。DEDでは、多軸ターンテーブルを使用して造形プラットフォームを回転させ、さまざまな形状を実現することができます。パウダーベッドを必要としないDEDシステムは、既存部品の修理や印刷が可能です。

>> ALL3DPの記事「Directed Energy Deposition (DED) Metal 3D Printing – The Ultimate Guide」を読む <<

航空宇宙企業のRelativity Spaceは、ロケットを製造するために独自のDED金属3Dプリンターを設計した(出典:Relativity Space)

2022年、ロケットを3Dプリントし、世界最大の金属3Dプリンタを構築する最初の企業であるRelativity Spaceは、Stargate 4th Generationと呼ばれるDED 3Dプリンタの最新式を発表しました。これらのプリンタは、地球低軌道に20,000kgの重量を打ち上げることができるようになります。完全再利用可能な、3Dプリントロケットの開発と生産率の両方を下支えします。

最新の3DプリンターStargateでは、軌道ロケットを印刷するために、単一のプリントヘッドに複数のワイヤを供給するように水平方向に移動することにより、伝統的な印刷の制約を無視しています。Relativity Spaceはこれらのプリンタが改善された印刷速度と信頼性で、より複雑で大幅に大きな金属製品を印刷できるようにカスタマイズされたソフトウェアと機械学習技術を開発しています。彼らは数ヶ月のうちに100倍少ない部品でロケットを印刷することが可能であるとして、Stargateが根本的に製造サプライチェーンを簡素化することを述べています。

電子ビームによる指向性エネルギー堆積法

xBeam DEDプリンターで3Dプリントされた金属部品。これらのプリント部品は、最終的な部品の品質を示すために半分がCNC加工されている(出典:xBeam)

この方式では電子ビームを使用して金属ワイヤー(粉末ではない)を溶かし、同時にノズルによって蒸着させます。上記のWAAMと非常によく似ており、電子ビームDEDはその精度とスピードで高く評価されています。WAAMとは異なり、これらのプリンターは真空チャンバーを必要とします。通常、部品は完成形状に近いかたちで印刷され、その後、上の写真に示すように、厳しい公差でCNC加工されます。

マイクロ3Dプリント

3D MicroPrintによる金属3Dマイクロプリント(出典:3D MicroPrint)

マイクロ3Dプリンティングは方法ではなく、技術のカテゴリーです。マイクロスケールの金属3Dプリントパーツを作るには、少なくとも3つの方法があります。マイクロ選択的レーザー焼結(μSLS)は、上記で取り上げたレーザー粉末床融合の小規模版で、金属リソグラフィ・電気化学蒸着はExaddonと呼ばれる独自の技術で、金属注入樹脂3Dプリントとも呼ばれています。

金属リソグラフィはリソグラフィベースの金属製造(LMM)とも呼ばれ、スラリーと呼ばれる金属を含む感光性樹脂を原料として使用し、感光性スラリーを光で層ごとに選択的に重合させる方式です。メタルリソグラフィーは優れた表面品質を誇り、マイクロ3Dプリンティングで使用されることがほとんどですが、それだけではありません。

>> ALL3DPの記事「Micro 3D Printing – The Ultimate Guide」を読む <<

Incusの3Dプリンターで作られたこれらの部品は、リソグラフィベースの金属製造(LMM)技術を使用している(出典:Incus)

コールドスプレー

(出典:Impact Innovations)

コールドスプレーとは、金属粉末を超音速で噴射し、溶かすことなく接合する製造技術で、熱応力をほとんど発生させません。2000年代初頭からコーティングプロセスとして使用されていましたが、最近では、一般的な金属3Dプリンターの約50倍から100倍の速度で、最大数センチの正確な形状に金属を積層できることから、複数の企業が積層造形にコールドスプレーを採用しています。

コールドスプレーは金属交換部品の迅速な製造や、軍事機器や石油・ガス産業の機械などの金属部品の現場での修理や修復に使用されており、企業は再製造やワークフローの中断にかかる数百万ドルを節約できる可能性があります。修理された部品は、場合によっては新品よりも優れていることもあるのです。

>> ALL3DPの記事「Cold Spray Metal 3D Printing Tech & Printers」を読む <<

アルミニウムブロンズの砲手用ラチェット。Speee3Dコールドスプレー3Dプリンターを使って現場で3Dプリントさrた、オーストラリア軍の必須ツールだ(出典:Speee3D)

溶融金属を用いた方式

Grobのリキッドメタル・プリンティング・マシンGMP300で作られた金属部品(出典:Grob)

リキッドメタル3Dプリンティングまたはリキッドメタル・ドロップオンデマンドと呼ばれることもある、溶融金属を用いた方式は、熱を使用して金属(通常はアルミニウム)を溶融(または溶融に近い状態)させ、ビルドプレート上に層ごとに堆積させて3Dオブジェクトを形成するプロセスです。

この技術は金属押出し3Dプリンティングとは異なり、押出しの場合、原料は金属粉末を内包したポリマーであるため、加工後の二次熱処理段階でポリマーが除去されます。一方、この方式では一般的なアルミワイヤー原料のような純粋な金属を使用し、押出可能なように加熱してから固化させるため、二次工程を必要としません。

これはおそらく最も一般的でない3Dプリンティング技術ですが、大きな可能性を秘めています。GrobはGMP300を、AdditecはElemXを提供しており、この技術のバリエーションが開発されています。Valcunという新興企業は、2023年にアルミニウム押出3DプリンターMinervaを発売しました。

熱を使って金属を溶かし、析出させることの潜在的な利点は、他のDEDプロセスよりも少ないエネルギーで、ワイヤーや高度に加工された金属粉末の代わりに、リサイクルされた金属を直接原料として使用できる可能性があり、原材料のコストを削減できることです。

他の方法

SLS 3Dプリント技術を使用したコールドメタルフュージョン部品(出典:Headmade)

10個の方法だけでは十分でないかのように、金属で3Dプリントするユニークで特殊な方法がさらにいくつかあります。

コールドメタルフュージョンは、SLS 3Dプリンターで金属を3Dプリントできる有望な新技術です。SLSは通常ポリマー技術ですが、Headmade Materialsという会社の新素材を使えば、SLSで金属をプリントできます。この材料は、ポリマーでコーティングされた金属粒子で構成されているため、まだ数台しか認証されていませんが、理論的にはどのSLSマシンでも使用できるものです。出来上がったパーツはバインダージェッティングの金属に似ていますが、SLSマシンは通常、金属バインダージェッティングマシンよりもはるかに拡張性が低いため、コストと入手のしやすさが利点となるでしょう。

>> ALL3DPの記事「Cold Metal Fusion 3D Printing – Simply Explained」を読む <<

摩擦エネルギー蒸着(摩擦攪拌エネルギー蒸着とも呼ばれる)は、もう1つの興味深い金属技術です。FEDは固体プロセスであり、プリント中に材料が溶融温度に達しないため、従来の融合をベースとしたプロセスよりも大幅に低いエネルギーで、残留応力が低く、完全な密度のパーツを作成できます。FEDはまた、焼結や後処理を必要としないシングルステッププロセスでもあります。Meld Manufacturingを含む少数の企業のみが利用可能なこのプロセスは、危険な金属粉末や熱を使用しない迅速な金属製造の可能性を秘めています。

3Dプリントと金属素材

The Virtual FoundryのFDMプリント用金属フィラメント(出典:The Virtual Foundry)

あらゆる金属を3Dプリントすることができます。パーツの複雑さとスピードを除けば、金属を3Dプリントする主な利点の1つは、原材料の節約と事実上無駄がないことです。これは、チタンのような高価な材料をプリントする際に非常に重要です。

3Dプリント法の中には、粉末、ワイヤー、ペレットなど、射出成形、溶接、鋳造ですでに使用されている広く入手可能な材料を使用できるものもあります。また、3Dプリンティング用に独自に調合された材料もあります。パーツをプリントする必要がある素材がわかっている場合は、チタン、アルミニウム、スチールをプリントする方法について、以下のガイドをご覧ください。

>> ALL3DPの記事「3D Printing Steel – The Ultimate Guide」を読む <<

>> ALL3DPの記事「Titanium 3D Printing – The Ultimate Guide」を読む <<

>> ALL3DPの記事「3D Printing Aluminum – The Ultimate Guide」を読む <<

>> ALL3DPの記事「Copper 3D Printing – The Ultimate Guide」を読む <<

>> ALL3DPの記事「Stainless Steel 3D Printing – The Ultimate Guide」を読む <<

技術主要な素材
FDM/Extrusionステンレス(316L、17-4 PH)、銅、チタン、青銅、タングステン、アルミニウム
LPBFアルミ(+合金), 銅(+合金), ニッケル(+合金), ステンレス, チタン(+合金), 貴金属
EBMアルミニウム(+合金), 銅(+合金), ニッケル(+合金), ステンレス, チタン(+合金), 貴金属
Metal Binder Jettingマルエージング鋼、ステンレス、ニッケル、コバルト、チタン、アルミニウム(+合金)、銅、青銅
WAAMステンレス、チタン、ニッケル基合金
Laser DED 鋼、鋳鉄、ニッケル合金、チタン合金、アルミニウム、銅
eBeam DEDステンレス、ニッケル合金、チタン合金
Micro 3D Printing鋼、銅、貴金属、ステンレス鋼、チタン、銅、ニッケル、真鍮
Cold Sprayチタン、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、ニオブ、タンタル
Molten Direct Energy Depositionアルミニウム

金属3Dプリントサービス

BeamITの金属3Dプリントサービス(出典:BeamIT)

3Dプリンティングが金属部品や製品にもたらすあらゆる利点の恩恵を受けるには、必ずしも自社の3Dプリンターに投資する必要はありません。世界中には、製品やプロトタイプを好みの金属でプリントできるだけでなく、パーツの最適な方法、材料、設計についてアドバイスしてくれる3Dプリントサービスが増えています。

金属3Dプリントのパートナーを選ぶのは時間がかかるので、Craftcloudが提供するプロバイダーの3Dプリントマーケットプレイスをチェックしてください。このプラットフォームでは、デジタル部品ファイルをアップロードすると、さまざまなサプライヤーから即座に見積もりを受け取ることができます。

>> ALL3DPの記事「Metal 3D Printing Service: The Best Providers in 2024」を読む <<

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3Dプリンターのサポート材とは?なぜ必要なの?仕組みや種類を解説 http://make.vntkg.com/blog/about/support-material/ Mon, 04 Mar 2024 07:00:13 +0000 http://make.vntkg.com/blog/?p=9085 サポート材とは

サポート材とは、3Dプリンティングで複雑な形状を作るときに一時的に支えとなる材料のことです。
サポート材によって、空中に浮いているような部分や、下から支えが必要な部分もきれいに作ることができます。
プリントが完了次第、このサポート材は取り除く必要があります。

なぜサポート材が必要なの?

3Dプリンターは、下から上に向かって層を積み重ねていく方法で物を作ります(熱溶解積層方式の場合)。しかし、すべての形状がこの方法で簡単に作られるわけではありません。たとえば、大きく飛び出した部分や、空中に浮いているようなデザインは、何かに支えられないとプリントできません。ここでサポート材が活躍します。

サポート材は、これらの難しい部分を一時的に支える役割を果たし、プリントが終わったら取り除くことで、思い描いたデザインを形にすることができます。

サポート材が特に必要な状況

  • オーバーハング:一般にプリントベッドから45度以上傾斜している部分は、サポート材がないと垂れ下がったり、品質が低下したりする可能性があります。T字型モデルだけでなく、Y字型モデルもこれに該当します。

  • ブリッジ(橋):二点間の空間を跨ぐように作られた部分を指します。サポートがないと、この部分が垂れてしまうことがあります。

  • ホール(穴):中が空洞のモデルや、内部に複雑な構造がある場合も同様です。こちらは、造形後にサポート材をくり抜きます。

サポート材を使うことで、より複雑で細かいデザインのプリントが可能になりますが、プリント後にはこれを取り除く必要があります。
取り除く方法は、材料やプリントの種類によって異なりますが、基本的には手で剥がしたり、水で溶かしたりして除去します。

サポート材を上手に活用することで、3Dプリンティングの可能性が広がります!

サポート材の種類

サポート材の選択は、3Dプリントを行う上で重要な要素です。特に複雑な形状や細部を持つモデルをプリントする際には、サポート材がモデルを適切に支え、高品質な仕上がりを実現します。サポート材には大きく分けて溶解可能なものと非溶解性のものがあり、それぞれに特徴と適用場面があります。

溶解可能なサポート材

溶解可能なサポート材は、特定の溶剤に溶かして除去できるため、モデルの細かな部分を傷つけることなくサポート材を取り除くことができます。このタイプは、内部が複雑な構造を持つモデルや、後処理を最小限に抑えたい場合に特に有効です。

  • PVA (ポリビニルアルコール):PVAは水に溶けるため、サポート材の除去には単に水に浸すだけで済みます。この手軽さは、細かな作業が苦手な方や、時間を節約したい方にとって大きな利点となります。特に、PLAフィラメントとの相性が良いです。
  • BVOH: BVOHも水溶性で、PVAよりも速く溶けるため、さらに迅速なサポート除去が可能です。細部の精度が求められるプロジェクトに適しています。

vntkg.makeにおける、溶解可能な素材

AGILISTAで出力されたAR-M2という素材名の、靭性と剛性に優れた透明なアクリル素材です。
複雑な形状でも、水につけておくだけでサポート材を除去することが可能です。
また、吸水性が低いため、造形後に変形しにくい点もポイント。

ProJet 3500HD Maxで出力されたVisijet Crystalという素材です。
取り扱い素材の中で最も高精細な造形が可能なアクリル素材で、小さな模型など、細部の表現を必要とする用途に適しています。
こちらは、出力後の造形物をオーブンに入れるだけでサポート材が溶けるため、手動でサポート材を除去する手間を省くことができます。

vntkg.makeでは、上記2つの素材をご選択いただいた場合、サポートを除去してお届けいたします!

非溶解性サポート材

非溶解性サポート材は物理的に取り除く必要がありますが、強度と安定性が求められる場合に適しています。取り除き方には少し技術が必要ですが、適切なツールを使用することで、効率的に作業を行うことができます。

  • 同じ材料のサポート: 一部のプロジェクトでは、モデルと同じ材料をサポートとして使用することがあります。この方法は材料の一貫性を保ちつつ、簡単な構造であれば容易にサポートを取り除くことができます。

サポート材を選ぶ際には、プリントするモデルの特性、使用するプリンターの種類、および後処理の過程を考慮することが重要です。正しいサポート材を選択することで、プリントを行う工程をスムーズに進め、最終的な成果物の品質を向上させることができます。

vntkg.makeにおける、非溶解性の素材

NXE400で出力された3843-xABS-Blackという素材です。
ABS相当の強度を持つと同時に、超高速で造形することができます。
プロトタイプから量産まで、幅広い用途があるのも特徴です。

本素材は、サポート除去なしが通常処理となっております。サポート除去をご希望の場合は、ご注文時にオプションにてご選択ください。

Form3で出力されたGray Resinという素材です。
マットな質感の表面、非透明な外観、精細なディテール表現を得意としています。
着色を行うパーツの下地として利用するのもおすすめです。

本素材は、サポート付きでのご提供となります。予めご了承ください。

金属3Dプリントにおけるサポート材について

金属を3Dプリントする場合にも、サポート材が必要になることがあります。しかし、サポート材の材料も金属となるため、サポート材の除去は簡単ではありません。

金属3Dプリントにおけるサポート材の役割

主な役割は2つあります。

  1. 照射後の造形物から熱を逃がす
  2. 熱による変形を防ぐ

金属を3Dプリントするには、レーザーなどで必要な部分を照射し、熱によって溶かした後に固める必要があります。しかし、熱されて溶けた金属が急激に固まる過程で内部応力が発生し、造形物が変形してしまうことがあります。

この問題を解消するために、サポート材が必要となります。
造形物にこもった熱をサポート材を伝わせて逃がすと同時に、サポート材で造形物を固定することで変形を防ぎます。

サポート材が必要な状況

※赤色の部分がサポート材

素材にもよりますが、オーバーハングの角度が45°以下の場合、サポート材が必要です。
ただし、形状によっては45°以下でもサポート材が不要になる場合があります。

サポート材の除去の仕方

サポート材の除去は、手作業で行われることが多いです。
ニッパーやペンチを使ってサポート材の大部分を除去し、紙やすりやリューターで表面を仕上げるという流れになります。

vntkgでご注文いただいた場合、サポート材の処理はvntkgにて行います。一方で、形状によってはサポート材を完全に取り除くのが困難な場合がありますので、予めご了承ください。

サポート材を付けないコツ

モデルの向きの検討

サポート材の使用にはいくつかのデメリットがあります。主なものとしては、プリント後のサポート材除去の工程が追加されるため、全体の作業時間が長くなること、サポート材を取り除く際にモデルが損傷するリスクがあること、そしてサポート材の使用により材料費が増加することが挙げられます。

サポート材を削減する方法の一つとして、モデルの向きを変更する事が挙げられます。
例えば、オーバーハングがプリントベッドに対して垂直になるようにモデルを回転させると、サポートが不要になる場合があります。

モデルの向きを変えることで、サポート材の使用量を最小限に抑え、後処理の手間を軽減できます。

まとめ

この記事では、3Dプリンティングにおけるサポート材の基本を解説しました。サポート材の役割と種類、設計と配置の考慮点、除去方法、そしてサポート材の利点と欠点について学ぶことが可能です。サポート材を上手に活用し、理想のプロダクト製作に繋げましょう!

また、vntkg.make 3Dプリントでは、造形方向指定サービスを提供しております。
より表面を美しく、強度を増したいという方はぜひお気軽にお問い合わせください。

MJFやSLSで造形される素材を選択すると、サポート材がつかないため、設計を考慮する手間がなくなります!

MJFの詳細は、以下の記事をご覧ください!
基本的な特徴やMJFを利用するメリット、対応素材など詳しく解説しております。

3DプリントMJF (マルチジェットフュージョン方式)を徹底解説

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ステンレスの3Dプリント完全ガイド|『All3DP Pro』翻訳・転載記事 http://make.vntkg.com/blog/material/international-stainless-steel/ Wed, 28 Feb 2024 07:00:00 +0000 http://make.vntkg.com/blog/?p=8978 ※ この記事はAll3DP.com掲載のCarolyn Schwaar氏による記事「Stainless Steel 3D Printing – The Ultimate Guide」を翻訳・転載したものです。

ステンレスの力

3D Microprint、Desktop Metal、Materialise、EOSのステンレス部品

カトラリーや外科手術用の器具から自動車部品やタービンのブレードに至るまで、ステンレスは私たちの周りにあり、それには十分な理由があります。耐食性と耐熱性に優れ、軽量で手頃な価格の金属であるため、3Dプリントにも理想的です。

現在、3Dプリントされたステンレスは、産業部品だけでなく、デザイン、建築、芸術分野の用途にも使用されています。その理由は何でしょうか?それは、従来の製造方法に比べて、より速く、安価で、効率的だからです。

もしステンレスの予備部品、プロトタイプ、または工具を探しているなら、3Dプリンターや材料、サービスの提供範囲は幅広いです。3Dプリントのためのステンレスを使用する選択肢を見てみましょう。

なぜステンレスを3Dプリントするのか?

このステンレス製の無摩擦ギアメカニズムは、スイスのCSEMによってヨーロッパ宇宙機関のために開発され、3Dプリントがなければ製造不可能な、相互に連結する格子構造を持つ可動式のブレードを特徴としている(出典:ESA

メーカーは100年以上も前からステンレスを打ち抜き、切断し、成形し、溶接してきました。金属3Dプリントの歴史は数十年前に遡りますが、すでに速度とコストの面で従来の方法に匹敵しています。さらに、3Dプリントは他の製造方法では不可能な複雑なデザインを可能にし、製品革新を促進しています。

ステンレスで3Dプリントする方法を見る前に、それを行っている企業の事例を通じて「その理由」をチェックしてみましょう。

ユニークな工具

Allegheny Electricの大量生産工場は、シリアル検査用の新しいエンドオブアームツールが必要なため、6軸ロボットの稼働を停止することができませんでした。しかし、そのツールは同社のニーズに特有のものであり、他の2つのエンドオブアームツール部品に取り付ける必要があるアセンブリの一部でした。初期のプロトタイプは炭素強化プラスチックで3Dプリントされましたが、その材料では耐久性が十分ではありませんでした。そこでAllegheny Electricは、プリンターメーカーのExOne(現在はDesktop Metalの一部)からの迅速で手頃な価格のバインダージェット3Dプリント技術を使って、ステンレス(17-4PH)に転換しました。しかし、同じ部品を3Dプリントする代わりに、同社は3Dプリントが提供する形状の自由を活用するために、それを再設計する機会として利用しました。同社は3Dプリント用に部品を再設計し、部品を統合することによって重量を約40%削減し、材料の廃棄を5%未満に減少させることができました。最終的な部品(下記写真)は1日未満で印刷され、コストは約150ドルでした。

Allegheny Electric用にEOSによって3Dプリントされたステンレスのカスタムパーツ(出典:EOS)

特注の予備部品

有名な1952年製レースカー、#28 Cummins Diesel Specialを動かすためには、新しいウォーターポンプが必要でした。元のポンプは#28カー専用のユニークな設計で、既製の予備部品では適合しませんでした。さらに事態を複雑にしたのは、#28が数週間内にレースに出る予定だったため、交換部品に対する従来の砂型鋳造方法は、見積もり納期が10週間となり除外されたことでした。

その代わりに、Cumminsのエンジニアはリバースエンジニアリングと金属3Dプリントに頼りました。3D Systemsのレーザーパウダーベッド融合3Dプリンターを使用して、新しいウォーターポンプ(下記写真)は316-Lステンレスでわずか3日間で3Dプリントされ、全プロセスは5週間で完了しました。これは予定の10週間よりも短縮された期間です。ポンプのハウジングは他の部品にも完璧に合致し、6レースにわたって新品同様のパフォーマンスを提供しました。

オリジナルの#28 Cummins Diesel Specialレースカーのウォーターポンプ(左)と3D Systemsによるステンレス3Dプリントの代替品(右)(出典:3D Systems)

最近では、アメリカ海軍もUSS Bataan艦上の工具室にMeltio 3Dプリンターを設置することで、ステンレス3Dプリントを利用しました。Meltioはレーザーで金属ワイヤーを溶かし、層ごとに積層し、その後内蔵のCNCミルで部品を最終公差まで削ります。このシステムは、優れた耐食性を持つ一般的な艦船材料である316Lステンレスを使用し、装備の修理部品を印刷します。制作できるものには、製造中止となったコンポーネントも含まれます。これにより、埠頭に戻ることなくシステムの修理が可能になりました。

建設・建築

オランダの企業MX3Dは、ワイヤアーク方式(WAAM)3Dプリント技術を使用して、アムステルダム中心部にある最も古く、最も有名な運河の一つを渡る完全に機能するステンレス製橋を3Dプリントしました。この革新的なアプローチにより、同社は金属から強度が高く、複雑で優雅なステンレス構造を3Dプリントすることができました。橋はそのユニークな美しさだけでなく、その構造の内部には、橋の交通量や負荷をリアルタイムで測定するセンサーが収められています。

MX3Dによって作成されたアムステルダムにあるステンレス3Dプリント橋(写真:Thea van den Heuvel)

複雑な産業部品のプロトタイプ

ポンプの重要な部品であるインペラーは、ポンプの圧力を制御し、それぞれの特定のアプリケーションに合わせて設計されなければなりません。インペラーには幾何学的に複雑な羽根が必要で、ポンプを通して移動する液体に特化して設計されています。これらのカスタマイズされた羽根は高価で製造が難しく、高価な資本設備と熟練した労働者のリソースが必要です。

316Lステンレスの部品を社内でプリントできる能力を持つことで、設計チームは最終製品に必要な同じ金属材料を使用して、迅速に機能的なプロトタイプを作成しテストすることができるようになりました。Desktop Metal Studio Systemでプリントされた下記のステンレスインペラーの印刷コストは、部品あたり約70ドルです。これはCNC加工プロトタイプよりもはるかに少なく、プロトタイプの複数のイテレーションが必要な場合には、大幅なコスト削減となります。

3Dプリントされたステンレスのインペラーの機能的プロトタイプ(出典:Desktop Metal)

医療用具の機能的プロトタイプ

Markforgedの17-4 PHステンレスを使用して、Shukla Medicalは多くの最終製品と同じ材料でプロトタイプを3Dプリントし、CNCマシンを置き換えました。彼らは現在、初期プロトタイプにはMarkforgedのカーボンファイバー3Dプリンターを使用し、その後、外科医に評価される最終プロトタイプにはMarkforged Metal Xシステムを使用しています。「外科医は実際の切開でそれを使用することを想像でき、手に持った感じが正しいかどうかを私たちに伝えられます」と、同社の製品開発マネージャーであるZack Sweitzer氏は語ります。「より効率的にプロトタイプを作成し、市場に製品をより迅速に提供することができるため、私たちは業界の最前線に留まることができるのです」。

Shukla Medicalは、整形外科医が使用するこれらのステンレス製・ヘリコプターソケットのプロトタイプを3Dプリントし、医師がツールをテストして評価することを可能にした(出典:Markforged)

ステンレスを3Dプリントする方法

ステンレスの3Dプリント技術の中でも、マイクロ3Dプリントは微細な部品を製造することができる(出典:3D Microprint)

ステンレスを3Dプリントする方法は一つではありません。各方法は価格、速度、品質、および量の面でそれぞれ長所と短所があります。

一部のステンレス用3Dプリンターはデスク上に収まりますが、他のものは部屋いっぱいを占めることがあります。同様に、出来上がる金属部品の機械的特性には幅広いバリエーションがありますから、プロジェクトに最適な方法を見つけるためには、異なる方法について少し知っておく必要があります。

例えば、工場の生産用ノズルの交換が必要な場合、デスクトップのFDMプリンターが最も迅速かつ安価なオプションかもしれません。しかし、ステンレス部品が一定の圧力や力に耐える必要がある場合は、レーザーパウダーベッド融合やバインダージェットを選ぶことをお勧めします。非常に大きなステンレス部品、例えば船のプロペラが必要な場合は、ワイヤアーク方式(WAAM)を検討することになるでしょう。

ステンレスの3Dプリントオプションを評価する際には、最終部品の密度(90%ー99%)、多孔性(用途によっては欠点または利点となる可能性があります)、そして必要な機械的特性のセット、例えば引張強度などを考慮に入れてください。

ステンレスの3Dプリントには、以下の3Dプリント技術が選択肢としてあります:

UltiMaker S5を使用してUltrafuse金属フィラメントで3Dプリントされたステンレスの金属部品(出典:UltiMaker)

デスクトップ用金属フィラメント

最も経済的な方法は、デスクトップ3Dプリンターとステンレスフィラメントを使用するものです。このフィラメントは、高い割合のステンレス粉末が注入されたポリマー材料です。BASF Forward AMなどの企業から入手可能なこのタイプのフィラメントは、幅広いリーズナブルなデスクトップFDM 3Dプリンターで印刷することができます。

通常、小さな交換部品やプロトタイプであるこれらの部品は3Dプリントされた後、ポリマーバインダーを除去する必要があります。その後、より密度の高い部品を生産するためには焼結ステップも必要です。このプロセス、材料、プリンターについては、以下のガイドで詳しく説明されています。

>> ALL3DPの記事「Metal Filament 3D Printing – The Ultimate Guide」を読む <<

金属押出3Dプリントのもう一つのタイプは、バウンドメタルデポジション(BMD)と呼ばれます。BMDを搭載した3Dプリンターには、MarkforgedのMetal XやDesktop MetalのStudio Systemがあります。彼らはフィラメントの代わりとなる素材を「バウンドメタルロッド」と呼んでいます。これらのロッドの正確な構成は企業秘密ですが、フィラメントと同様に、金属粉末がワックスまたはポリマーバインダーに含まれています。

ステンレスフィラメントでの3Dプリントは、処理後に固体になる微細な部品を生産する(出典:BCN3D)

バインダージェッティング

ステンレス部品を3Dプリントする最速の方法は、バインダージェッティングとして知られる技術でステンレス粉末の層を結合剤で結び付けることです。ステンレス粉末がビルドエリアに敷き詰められ、プリントヘッドがボックス上を移動し、選択的にバインダー溶液を噴霧します。3Dモデルは、完成するまで層ごとに構築され、その後バインダーを強化するためにオーブンで乾燥されます。全体として、金属バインダージェット部品の材料特性は、金属部品の大量生産に最も広く使用されている製造方法の一つである射出成形で製造された金属部品と同等です。さらに、バインダージェット部品は特に内部構造において高い表面滑らかさを示します。

>> ALL3DPの記事「Binder Jetting 3D Printing – The Ultimate Guide」を読む <<

ステンレスの金属バインダージェット部品は、良好な機械的特性を達成するために印刷後に二次加工を必要とします。その速さゆえ、バインダージェッティングは主に、下記写真にあるCobraゴルフクラブのような大量生産の消費者製品に選ばれます。

ステンレス3Dプリント製のゴルフパター・Cobra King Supersport-35は、HPのバインダージェット技術であるMetal Jetを使用して製造された(出典:HP)

レーザー粉末焼結

金属3Dプリントにおいて最も広く使用されている方法は、レーザーパウダーベッド融合(LPBF)であり、選択的レーザー溶融(SLM)や単に金属焼結とも呼ばれます。LPBF 3Dプリンターは高出力のレーザーを使用して金属粉末を選択的に溶解します。溶けた部分は分子レベルで層ごとに融合し、均一なモデルが完成します。プリントベッド上に詰め込まれた粉末は、印刷プロセス中にモデルを支えるので、サポートはほとんど必要ありません。

LPBF 3Dプリンターを検討する際、アプリケーションに応じて、レーザーの出力レベル、レーザービームの直径、走査速度、可能な層の厚さ(20から120μm)、走査の方式、部品冷却の方式、および異なるブランドや同一ブランド内の異なるモデルを区別するその他の特徴を考慮しましょう。最終的に溶融した部品の表面は粗く、要件に応じて、滑らかで光沢のある結果を得るために後処理が必要になる場合があります。以下にリンクされたLPBFのガイドをチェックしてください。

>> ALL3DPの記事「Selective Laser Melting (SLM 3D Printing) – The Ultimate Guide」を読む <<

3D Systemsによってステンレスで3Dプリントされた、熱伝達係数改善のために内部にカプセル化された構造を持つ熱交換器(出典:3D Systems)

ワイヤアーク方式

建築要素や海事業界、石油・ガス業界の部品など、大きな部品に好まれる方法はWAAM(ワイヤーアーク方式)です。この方法では、従来の鍛造、鋳造、または機械加工の一部の時間とコストのごく一部で、大きな金属部品を製造することができます。

ワイヤーアーク方式は、材料として金属ワイヤーを使用し、エネルギー源として電気アークを使用します。これは溶接に非常に似ています。アークは、多軸ターンテーブルなどの表面にロボットアームによって層を重ねて預けられる際に、ワイヤーを溶解します。溶接と同様に、不活性ガスが使用され、酸化を防ぎ、金属の特性を改善または制御します。

このプロセスは、徐々に材料を完全な3Dオブジェクトに構築するか、既存のオブジェクトの修復を行います。取り除くべきサポート構造はありません。また、必要に応じて完成した部品はCNC機械加工で緊密な公差に加工されたり、表面を研磨されたりすることがあります。通常、印刷された部品は、残留応力を取り除くために熱処理を受けます。

>> ALL3DPの記事「WAAM! What Is Wire Arc Additive Manufacturing?」を読む <<

海洋用ディーゼルエンジンのターボチャージャーとして使用されるステンレス製のインペラーは、GefertecのWAAM技術を使用して製造された(出典:Gefertec)

ステンレス用3Dプリンター

ステンレス部品用のMarkforged Metal X 3Dプリンター(出典:Markforged)

ステンレス部品用の3Dプリンターを購入する場合、価格や用途に応じて絞り込める幅広い選択肢があります。実際、ほとんどの金属3Dプリンターは、非常に人気のある材料であるステンレスで印刷することができます。

3Dプリンターメーカーは通常、評価のために部品サンプルを送ってくれますし、アプリケーションに技術が適しているかをさらに評価するため、多様なオンデマンドサービスから3Dプリントされたステンレス部品を注文することもできます。

デスクトップFDM式3Dプリンター

前述のように、デスクトップ3Dプリンターの数は増え続けており、ノズルがステンレスフィラメントの3Dプリントに対応するほど高温になるものが増えています。しかし、熱だけが検討すべき唯一の特徴ではありません。プリンターメーカーのUltiMakerやMarkforgedは、金属3Dプリント用の特別なサポートを提供しており、これにより後処理の時間が大幅に短縮されます。FDM方式はデバインディング(バインダー除去)ステップと焼結ステップも必要とするため、印刷された部品をデバインドと焼結するための追加の機器またはサービスが必要になることがあり、これはコストを増加させる可能性があります。

Desktop MetalのShop Systemと加熱炉(出典:Desktop Metal)

ステンレス対応の3Dプリンターを購入するなら

機能的なプロトタイプや最終用途の産業用ステンレス部品には、考慮すべき3Dプリンターの幅広い範囲があります。市場にあるトップの金属3Dプリンターに関するAll3DPのガイドを見てください。このガイドは定期的に更新されています。

>> ALL3DPの記事「The Best Metal 3D Printers in 2024」を読む <<

トップの金属3Dプリンターメーカーの中で、以下のメーカーはステンレスを含む多様な材料で印刷できます:

  • 316L ステンレス
  • 17-4 PH ステンレス
  • 420 ステンレス
  • HH ステンレス
  • その他カスタムステンレス素材

ステンレスを扱う3Dプリントサービス

オンデマンド3DプリントサービスのSculpteoは、ステンレスとさまざまな仕上げを提供している(出典:Sculpteo)

技術の進歩、新しい金属材料、金属3Dプリンターの価格低下により、金属3Dプリントへの需要が急増しています。しかし、多くのエンジニアや産業デザイナーにとって、自社で金属3Dプリンターを導入することはまだ実現していません。幸いなことに、金属3Dプリンターを持つ製造業者が増えており、プロトタイプであれ最終的な機能部品であれ、ユニークな予備部品であれ、芸術作品であれ、注文に応じた部品のカスタムプリントを提供しています。しかし、どのようにして正しい業者を選ぶのでしょうか?

All3DPのCraftcloudは、金属3Dプリントサービスだけでなく、異なるサービスプロバイダーの価格とサービスを比較し、適切な価格で適切なカスタム製造業者を見つけることができる3Dプリントサービスのマーケットプレイスです。

世界中のパートナーとともに、Craftcloudは追加料金なしで価格と納期の点で最適なサービスを提供します。部品デザインファイルをアップロードし、316L、420、または17-4 PHステンレスを選択し、次に好みの技術を選択します:FDM、SLM、バインダージェット。最後に、仕上げを選択します:磨き、サンドブラスト、またはその他のオプション。

見積もりは、アップロードされたモデルと位置に基づいてリアルタイムで生成されます。他の3Dプリントサービスと同様に使いやすいプラットフォームですが、利用可能なオプションがはるかに多くあります。

Craftcloudの他の役立つ機能には、専門家ネットワークとサポートスタッフがあります。印刷に適していない部品がある場合や、デザインがまだない場合でも、専門家やプロのパートナーがデザインの実現を支援します。また、注文や配送のプロセスに問題がある場合は、Craftcloudチームが支援を提供します。

2023年には、MarkforgedがMetal X 3Dプリンターに新しい「Fine Future」モードを導入し、より微細なステンレス部品の製造を可能にした(出典:Markforged)

3Dプリントサービスプロバイダ

ステンレスを提供するトップの金属オンデマンド3Dプリントサービスの詳細については、以下の更新されたガイドをチェックしてください。

>> ALL3DPの記事「Metal 3D Printing Service: The Best Providers in 2024」を読む <<

プリントサービスプロバイダ

Sandvikのスーパーデュプレックスステンレスで3Dプリントされた洋上用インペラ(出典:Sandvik)

多くの種類のステンレスが存在し、それぞれの種類内には無限のバリエーションがあります。3Dプリントで最も使用されるステンレスの主な種類は次のとおりです:

316Lステンレス:その耐食性と機械的特性から3Dプリントにおける最も人気のある選択肢です。航空宇宙、医療、自動車などさまざまな産業で広く使用されています。
17-4 PHステンレス:この析出硬化ステンレスは優れた強度、硬度、耐食性を提供し、機能部品や産業用途に適しています。
420ステンレス:このステンレスグレードは、ツールや金型など高硬度と耐摩耗性が必要なアプリケーションによく使用されます。
2205デュプレックスステンレス:デュプレックスステンレスは機械的特性と耐食性の良い組み合わせを持ち、特定の厳しい環境に適しています。

どんなステンレスでも3Dプリントと互換性があるわけではなく、ほとんどのプリンターメーカーは自社の機械で使用するための特定の金属材料ベンダーを認定しています。最近の研究では、17-4 PHステンレスの組成を調整することで、3Dプリント時により一貫した結果を得ることができるようになりました。研究者のFan Zhang氏は「組成の制御こそが3Dプリント合金の鍵です。組成を制御することで、その凝固方法を制御できます。また、1000から10百万摂氏度/秒の幅広い冷却速度で、当社の組成は一貫して完全なマルテンサイトの17-4 PH鋼を生成することを示しました」と述べています。

>> ALL3DPの記事「Metal Powder for Metal 3D Printing – Buyer’s Guide」を読む <<

vntkg.make 3Dプリントでは、「ステンレス|SLM(SUS316L)」「ステンレス17-4PH|SLM」の2種類のステンレス素材を提供しております!
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切削加工と3Dプリンターを徹底比較!メリット/デメリットなどを詳しく解説 http://make.vntkg.com/blog/about/cutting-processing-and-3dpint/ Wed, 21 Feb 2024 07:00:44 +0000 http://make.vntkg.com/blog/?p=8947 基礎的な加工方法である「切削加工」。精度の高さというメリットがありつつも、専門的な技術と手間がかかってしまいます。近年技術が進化している3Dプリントとの違いを取り上げ、どちらにコスト面でのメリットがあるのかを紹介します。

切削(せっさく)/切削加工とは?基礎知識をチェック

切削(せっさく)とは、専用の工具を用いて素材に穴を開けたり削ったりする加工技術のことです。
素材から不要な部分を除去して形作ることから「除去加工」とも呼ばれ、金属を中心に木材やプラスチックなど、さまざまなものを加工できます。

切削の方法は大きく「転削(てんさく)」と「旋削(せんさく)」の2種類に分けられており、切削加工には切削工具と取り付けるための切削機を使用します。転削は切削工具を回転させて加工物を削る方法で、逆に旋削は加工物を回転させて切削工具に当てて削る方法です。

切削加工は工具と素材の摩擦によって目的とする形を作り上げますが、工具は消耗品でもあるため、コスト面でも無駄がないよう加工しなければなりません。

工具の当て方や回転速度など、素材の特性や種類によって適切な条件に設定するための技術が必要です。

切削加工の特徴

切削は除去加工のなかでも代表的な加工方法で、同じ除去加工で砥石を用いる研削加工に比べ、専用の工具で削るため加工物を素早く形作れることが特徴です。

金型などの準備が必要なく高精度な形状を小ロットで生産するのに向いていますが、複雑な形状の場合、切削加工で形作ることが難しい場合もあります。また、加工費用が高額になるケースもあるため、状況に応じて使い分けるのが効率的です。

具体的には、板にネジ穴やキリ穴などをあけたベースとなるプレートや、面取りを施したブロックなどシンプルな部品が作成可能です。加えて、一方向だけでなく複数の方向からの穴加工や、なめらかな曲面加工なども切削できます。

特徴をあげたところで、切削加工のメリット/デメリットをそれぞれ詳しくみていきましょう。

切削加工のメリット

高精度な加工が可能
作業者の経験や技量に左右されますが、直接切削工具で素材を削ることで希望する形状に仕上げることが可能です。素材の厚みも制限がないため、加工の自由度が高いです。複雑な形状のものや1点物の制作に向いていると言えます。

加工できる素材が豊富
加工する素材によって加工の歯やすさが変わりますが金属や木材、プラスチックなど幅広い素材を高精度に加工できます。使用する用途とそれに見合う素材を探求できるでしょう。

小ロットを安価で仕上げられる
小ロットでの生産方法に向いており、難易度の高い素材でなければ安価に加工が可能です。量産を目的としないのであれば短期間で加工物を手に入れられます。

切削加工のデメリット

  • 切削の危険性など
  • 切粉(読み方は「きりこ」)

切粉などの無駄が多い
切削加工は素材を削るという特性上、必ず切り屑である切粉が発生します。当然切粉は細かい屑なのでごみとなり無駄になります。また、切れ端などもサイズによっては再利用が難しい場合もあり、無駄なコストとなってしまいます。

量産に不向き
精度が高い分、ひとつの加工物を仕上げるのに時間がかかるため量産には向いていません。基本的には1点物など少ないロット数で使用する加工法と考えましょう。加えて素材を削る方法であるため、切削工具自体も摩耗します。高い精度を保つためにも工具の管理も欠かせません。

加工できない形状がある
切削加工は精度が高いですが、1つの素材から削るという加工方法がゆえにつくることができない形状があります。工具が届かない部分や物理的に削れない箇所は加工が不可能です。後述しますが切削加工が対応できないものも3Dプリントであれば作ることができます。

これだけは覚えておきたい!切削加工の種類

ここでは切削加工の代表的な3つを紹介します。
切削加工で使用するのがフライス盤という切削工具です。フライスは刃物を意味し、回転させて金属などを切削することができます。

汎用フライス

汎用性フライスとは切削加工に用いる工具を取り付けて、手動で操作するフライス盤のこと。細かな調整ができるため作業者の技量が直接反映されます。複雑な形状のものや1点物の制作に向いています。加工の基礎とも言える方法です。

NCフライス

NCフライスとはコンピューターによる数値制御で加工するフライス盤です。NCはNumerical Controlの略で数値制御を意味します。作業者によって品質が変わる汎用フライスとは違い、数値で切削加工をコントロールすることで精度が向上。コンピューターのおかげで、加工物の出来栄えにばらつきがなくなりました。

マシニングセンタ

マシニングセンタとはNCフライスと同様に数値制御ができ、かつ工具も自動で交換ができるようになったフライス盤です。複数の工具を自動で付け替えできるようになったことで効率が大幅に向上しました。穴あけや曲面など複雑な切削を連続的に行い、さまざまな形状を作成できます。

切削加工と3Dプリントの違いは?メリットを比較

最近ではこれまで一般的に使われていた切削加工の代用として、3Dプリントを用いた方法が取り上げられています。ここでは切削加工にはない3Dプリントのメリットをご紹介します。

切削ではできない形状がつくれる

3Dプリントは素材を積層することで目的とするかたちをつくることができます。上述した通り切削加工では金属や木材などの素材から削り取らなければなりません。その特性上、工具が届かない箇所などは加工が不可能というデメリットがありました。

その点3Dプリントは、3DCADデータをもとにスライスされた2次元の層を積み重ねていき目的とするかたちをつくりあげます。この方法であれば中空構造などの複雑な形状もそのままつくることができます。

コストが削減できる

3Dプリントは一度データを作成してしまえば、あとは自動で成形できます。準備作業の多くをパソコン上で行えるので、場所を選びません。切削加工とは違い、工場などで専用の工具を用いる必要があるのと違って、管理費・人件費などのコストを大幅に削減できます。

納期の短縮

切削加工は精度が高いかわりに、小ロットで最低でも1週間程度の加工期間がかかりました。3Dプリントであれば3Dデータができ次第、出力が可能。数時間から1日程度で成形することができます。また、一度に複数の出力も可能で量産にも向いています。

切削加工から切り替え!3Dプリンター活用例

活用事例①「機械加工機で作れなかった産業用機械部品を3Dプリントサービスを活用してリアルシリコンで造形 株式会社佐藤製作所」
切削加工が難しいゴム素材ですが、3Dプリンターを活用することで金型では制作できない複雑な形状を造形することが可能に!

機械加工機で作れなかった産業用機械部品を3Dプリントサービスを活用してリアルシリコンで造形 株式会社佐藤製作所


活用事例②「風力発電用小型風車の実験装置をチタンで造形 徳島大学 創成科学研究科 理工学専攻 機械科学コース 流体機械研究室」
大学で使用する実験装置の納品に1~3か月かかっていたものが、3Dプリンターを利用することで1か月以内にまで短縮!

風力発電用小型風車の実験装置をチタンで造形 徳島大学 創成科学研究科 理工学専攻 機械科学コース 流体機械研究室

切削加工を3Dプリンターに替えることでコスト削減に繋がるかも

切削加工はこれまで使用されてきた加工方法で精度も高いですが、量産に向いていない点や費用面などのコストが懸念点です。切削加工の代わりに3Dプリントを活用することで、特殊な場所や専用の工具を必要とせずに好きなタイミングで目的とするかたちを作ることが可能になります。また、切削で発生する切粉などの無駄もなく、コスト削減につながるでしょう。

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受託造形はvntkg.make!|金属・フルカラー3Dプリンターも|サービス選びの5つのポイントをご紹介

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アルミニウムの3Dプリント完全ガイド|『All3DP Pro』翻訳・転載記事 http://make.vntkg.com/blog/material/international-aluminum/ Wed, 14 Feb 2024 07:00:00 +0000 http://make.vntkg.com/blog/?p=8761 ※ この記事はAll3DP.com掲載のPaul Dughi氏による記事「3D Printing Aluminum – The Ultimate Guide」を翻訳・転載したものです。

自動車部品のスペアパーツから衛星アンテナに至るまで、3Dプリントされたアルミニウム部品の用途が拡大しています。3Dプリント用に開発された新しいアルミニウム材料や、それらを最適化するため精密に調整された3Dプリンターの登場がその要因です。従来の製造方法で作られたアルミニウムよりも優れた材料特性を持ち、3Dプリントでのみ可能な複雑な形状の部品が製造されています。

例えば、スカルマロイ(Scalmalloy)を取り上げてみましょう。これは、スカンジウム、アルミニウム、マグネシウムからなる高性能合金で、APWorksによって3Dプリント用に開発されたもので、チタンよりも強いと言われています。この合金は、2022年にスイスでFilippo Ganna氏が記録した速度(56.8km/h)に貢献した3Dプリント製自転車フレームとして最近試験されました。この「世界最速の自転車」は、大型フォーマットのEOS M400マシンで3Dプリントされています。

「The Pinarello Bolide F HR 3D track」バイクフレームは、イギリスのMetron Additive Engineering によってスカルマロイで3Dプリントされ、EOS M400で製造された(出典:メトロン・アディティブ・エンジニアリング)

Uniformity Labsが3Dプリンティング用に開発した新しいUniFuseアルミニウム合金(AlSi10Mg)は、レーザーパウダーベッド融合方式のアルミニウムプリントを大幅に高速化し、価格が近い競合他社の材料よりも優れた特性を実現すると同社は述べています。

SLM SolutionsVelo3Dは、アルミニウム合金F357から新しいレベルの部品性能を引き出すため、3Dプリンターで新しいプロセスを提供しています。このアルミニウム合金は、伝統的な製造方法では難しい薄壁構造や複雑な構造を3Dプリントするのに理想的であるとSLM Solutionは述べています。

例えば、航空宇宙会社のHoneywellはSLMと協力して、F357の部品を飛行用に認証する作業を行っています。一方、Velo3Dは、フォーミュラ1、NASCAR、その他のレースシリーズに先進的な冷却ソリューションを供給する世界的なサプライヤーであるPWRとパートナーシップを結び、鋳造に代わるF357部品を製造し、今までよりも迅速でより優れた材料特性の部品を生産しています。

3Dプリンターメーカーの Trumpfは2022年後半に、金属粉末メーカーのCKA Granuleと密に協力して、レーザーパウダーベッドマシン用に調整されたアロイアルミニウム合金CustAlloyを提供し、新しい自動車用途に取り組んでいると発表しました。

3Dプリントされたアルミニウムの新しい用途を推進するために、プリンターメーカーと材料メーカーがどのように協力しているか見てみましょう。

AML3Dは大型部品の製造でアルミニウムワイヤーを積層するためにロボットアームを使用している(出典: AML3D

3Dプリントアルミニウムの長所

3Dプリンティングが内部機能や複雑な組み立てを一つのユニットで印刷する能力を示すサンプル。Hereausが3Dプリント用に特化させたアルミニウム合金、スカルマロイによって印刷されている(出典:Heraeus)

アルミニウム合金は優れた化学的耐性を持ち、非常に軽量で、どの金属にも匹敵する最高の強度対重量比を持っています。シリコンとマグネシウムと組み合わせると、厳しい条件に耐える能力を持つため、航空宇宙業界や自動車業界における有力な選択肢となります。

アルミニウムや他の金属で3Dプリントを行う最大の利点の一つは、他の方法では製造不可能な内部チャネルや機能を持つ部品を作成できることです。複数部品のアセンブリを一つのユニットとしてプリントすることで、製造や組立時間を大幅に短縮し、全体としてより効率的な部品を開発できます。

減算的なCNC加工とは対照的に、3Dプリントはほとんど廃棄物を生み出しません。高価な原材料を扱う際、廃棄物を最小限に抑えられることは大きなプラスです。これは特に、購入した原材料と最終部品の重量比である「バイ・トゥ・フライ(buy-to-fly)」比率を常に改善しようと努める航空宇宙業界にとって興味深い点と言えるでしょう。

ポルシェは、電気自動車用の3Dプリント製アルミニウムハウジングを開発した(出典:ポルシェ)

アルミニウムの鋳造や加工は、しばしば生産コストが高く、製造中により多くのエネルギーを使用します。さらに、工具や成形金型の取得にも追加コストがかかります。それと比較して、アルミニウムを使用した3Dプリントでは、他のどの製造方法でも不可能な高精度で複雑な形状や構造を作り出すことができます。

設計作業はソフトウェアで行われ、物理的な工具や金型を使わず製造を完了できます。3Dプリント業者は、低量生産やカスタム部品を迅速かつ手頃な価格で生産でき、新たな技術による大規模生産や低運用コストの実現を可能にしています。

3Dプリントは一般的にカスタマイズや小規模生産に使用されてきましたが、これはパウダーベッド技術を使用して部品を造形するのに時間がかかるためです。しかし、LeonardoやBoeingが示すように、バインダージェット方式や指向性エネルギー堆積法(DED)、および他の造形方式がその常識も変えようとしています。

>> ALL3DPの記事「This is the World’s First 3D Printed Aluminum Guitar」を読む <<

3Dプリントアルミニウムの活用事例

メルセデスベンツがアルミニウムで3Dプリントしたスペア部品(出典:メルセデスベンツ)

自動車

ポルシェ911の3Dプリントアルミニウム製ピストン(出典:ポルシェ)

ポルシェは、フラッグシップモデル911 GT2 RSのために高性能アルミニウムピストンを3Dプリントし、700PSのツインターボエンジンから最大30PSの追加出力を得るとともに、効率を向上させました。3Dプリントによって、作用する荷重に最適化された構造でピストンを製造することが可能になりました。その結果生まれたアルミニウムピストンは、鍛造されていたものよりも10%軽量です。また、従来の方法では製造できなかった、ピストンクラウンに統合された閉鎖型の冷却ダクトも備えています。

「新しい軽量ピストンのおかげで、エンジン回転数を増加させ、ピストンへの温度負荷を低減し、燃焼を最適化することができます」と、ポルシェの先進ドライブ開発部門のFrank Ickinger氏は説明しています。

ポルシェは2020年に、3Dプリントされたアルミニウムを使用して、電気自動車用の最初のハウジングを製造しました。レーザーを使用して製造されたエンジン・ギアボックスユニットは、品質とストレステストを問題なく通過したと同社は述べています。

メルセデス・ベンツは、トラックや自動車のラインアップに対してアルミニウム製の交換部品を3Dプリントし、それらを改良しています。一例として、300 SLクーペの内側ミラー基部の交換部品は、道路安全性の観点から機能変更を加えられ、後方の視界が最適化されています。アルミニウムの3Dプリントは、アフターマーケット部品においても人気が高まっています。世界中の自動車修理業者は、OEM部品が入手不可能な場合に3Dプリントされたアルミニウムを使用しています。

航空宇宙産業

航空宇宙産業では、軽量な金属としてチタンがしばしば選択されますが、アルミニウムも多くの用途で依然として主力です。エアバスは、3Dプリント用に特別に開発したアルミニウム合金を使用し、A350 XWBやその他の航空機に3Dプリント部品を使用しています。また、通信衛星においてもアルミニウムの3Dプリント部品を使用しており、その部品の数は500以上にのぼります。

最近のAML3Dとのコラボレーションに加えて、ボーイングは航空機、衛星、ヘリコプターにおいて3Dプリントされたアルミニウム部品を使用しています。冷却段階でナノ粒子のコーティングを施したアルミニウム合金を用いて3Dプリントすることで、熱割れなしで溶接できる高い強度を生み出しています。この画期的な技術は、より軽量なフレームを実現し、航空機が少ない燃料でさらに長距離移動することを可能にするかもしれません。

ヘリコプターメーカーのLeonardoは、金属3Dプリントによる油圧および流体動力システムを製造するAidroから、アルミニウム製のフライト部品を受注しました。Leonardoはアルミニウムの3Dプリントを、軽量化とよりコンパクトで複雑な飛行部品の生産手段として着目しています。

航空宇宙産業におけるこうした流れは、チタンのような特殊材料の確立を経て、プロセスが成熟し新技術が市場に出るにつれて、アルミニウムのような安価な粉末代替品が拡大する傾向を示しています。

>> ALL3DPの記事「3D Printing Aluminum Alloys for Lighter, Fuel-Efficient Aircraft」を読む <<

アルミニウムを3Dプリントする方法

Elementum 3DのA6061-RAM2アルミニウム合金を用いたヒートシンク(出典:Elementum 3D)

ほとんどの金属3Dプリント方式でアルミニウムを扱うことができますが、それらの違いは速度やサイズ、造形精度や材料の種類とコストに現れます。

  • 材料押出(FDM, Fused deposition modeling)
  • レーザー粉末焼結 (LPBF, Laser powder bed fusion)
  • 電子ビーム (EBM, Electron beam melting)
  • 結合剤噴射(Binder Jetting)
  • コールドフュージョン(Cold Fusion)
  • ワイヤーを用いた積層(Wire arc additive manufacturing, WAAM)

FDM方式に関しては、現在アルミニウム金属フィラメントを提供しているのは2社のみです(The Virtual FoundryとZetamix)。この方法では、90%以上が金属となる部品を実現するために後処理が必要です。アルミニウムフィラメントはほとんどの卓上FDMプリンターで利用できるため、アルミニウム部品を得る最も安価な方法ですが、これらは主に装飾的またはプロトタイプの金属部品に使用され、機能的なものにはあまり使用されません。

アルミニウム粉末のレーザー焼結(出典: Gränges

レーザー粉末焼結 (LPBF, Laser powder bed fusion

LPBFはアルミニウム3Dプリント技術の中で最も一般的ですが、この技術を持つすべてのプリンターがアルミニウムを扱えるわけではありません。扱うアルミニウムベースの合金の特性に基づいて、LPBFの印刷パラメータは最適化され調整されなければならず、多孔性、微細構造、および最終的な材料特性を制御する必要があります。これが、材料メーカーとプリンターメーカーの間に特定の関係が存在する理由です。

アルミニウムを扱う主なLPBF方式3Dプリンター

  • EOS
  • Concept Laser
  • Velo3D
  • SLM Solutions
  • 3D Systems
  • Trumpf
  • OneClickMetal

電子ビーム (EBM, Electron beam melting

EBMはLPBFと似たプロセスですが、レーザーの代わりに電子ビームを使用します。電子ビームの高い温度により層ごとの冷却が遅くなり、その結果、LPBFに比べて微細構造は粗大になります。純アルミニウムはEBMと互換性がありませんが、チタン-アルミニウム合金は互換性があります。

アルミニウム合金を扱う主なEBM方式3Dプリンター

  • QBEAM Aero350

コールドスプレーとワイヤーを用いた積層(Cold Spray & WAAM)

コールドスプレーWAAMは、その後より細かい公差に加工される、大型のアルミニウム部品を迅速に最終形状で作成するために使用されます。この方法は、重工業で使用される単一の部品に対して鋳造よりもはるかに経済的です。

アルミニウムを扱う主なコールドスプレー方式3Dプリンター

  • Spee3D
  • Impact Innovations

アルミニウムを扱う主なWAAM方式3Dプリンター

  • ALM3D
  • MX3D
  • Gefertec
  • WAAM3D

結合剤噴射(Binder Jetting)

Desktop MetalはXシリーズとプロダクションシステムで6061アルミニウムの印刷を提供する(出典: Desktop Metal)

アルミニウムを結合剤噴射方式でプリントすることは、大量の部品を迅速に印刷するための選択肢ですが、この方式には後処理が必要です。

アルミニウムを扱う主な結合剤噴射方式3Dプリンター

  • Desktop Metal

特別なアルミニウム造形技術

3DプリンターメーカーのGrobは、溶かしたアルミニウムを押し出す特殊技術を提供しています。これは同社が「リキッドメタルプリンティング」と呼ぶ、粉末を用いない造形方式です。同社のGMP300は、ほぼ最終形状のコンポーネントを生産し、より厳密な公差で加工することができます。ゼロックスは、ElemX 3Dプリンターで類似の技術を提供しており、現在いくつかの米軍施設に設置されていますが、2022年にこの技術の商業化を行わないことを発表しました。

アルミニウムを大量生産レベルで3Dプリントする特殊技術を、Alloy Enterprisesというスタートアップが開発中です。同社は、アルミニウムのシートを原料として使用するシート積層型3Dプリントを活用しています。Alloy Enterprisesがその技術をマシンとして提供するかサービスとして提供するかは明確ではありません。

アルミニウムを知る

3Dプリント用のアルミニウム粉末(出典:GE)

3Dプリント用アルミニウム合金の研究開発にかなりの努力が注がれています。初期段階では、エンジニアはアルミニウムの取り扱いに課題を抱えていましたが、現在はその状況も変化しています。新しい高性能アルミニウムや合金が、3Dプリントのために特別に開発され、現代の製造業者が求める特性を示しています。これらの材料は、レーザーや電子ビーム方式ならではの溶融プロセスで利用するために調整されています。

いくつかの新しいスタートアップは、3Dプリント用の高性能アルミニウム合金粉末を製造するための独自の原子化技術も生み出しています。印刷できる金属材料のリストは過去3年間で倍増し、3Dプリントを活用できるアプリケーションの数が劇的に拡大しています。

Aconity3DがEquispheresのAlSi10Mgアルミニウム合金を用いて造形したパーツ(出典: Aconity3D)

3Dプリントに特化したアルミニウム素材

  • Uniformity Labsによって2023年2月に発売されたUniFuse AlSi10Mgは、50〜90マイクロの層厚で扱える、レーザーパウダーベッド融合3Dプリント用のアルミニウム粉末です。UniFuseおよびUniJet(バインダージェット)の製品ブランドとして現在生産中で、Uniformity Labsは、この粉末がスケールアップするたびに改善されると述べています。
  • 2022年後半に材料会社Equispheresによって発売されたNExP-1は、3Dプリント用の非爆発性アルミニウム合金材料で、3Dプリント材料を日常的に取り扱う際の危険を減らします。Equispheresはまた、付加製造用に設計されたAlSi10Mg粉末のパフォーマンスについて、Aconity3Dのレーザーパウダーベッド融合3Dプリンターで複雑な機器部品を印刷する際、印刷時間を60%以上削減できたと述べています。
  • APWorksによって3Dプリント用に特別に開発されたScalmalloyは、同社によると、最も強度が高い3Dプリント可能なアルミニウム合金です。これは航空宇宙やモータースポーツで、高強度7000シリーズのアルミニウムに代わるものとして使用されています。
  • A20Xアルミニウム粉末は、現在EckarグループのAluminium Materials Technologiesによって、3Dプリント用に開発されました。同社は、この航空宇宙用途に設計された特殊合金が、従来のアルミニウムよりも著しく軽量な部品を生産できると述べています。
  • Elementum 3Dは、ガス原子化アルミニウム合金の3Dプリント用粉末を提供しており、伝統的なアルミニウム合金の強化バージョンや、同社の独自の反応性付加製造(RAM)プロセスによって可能になった先進的な分散強化アルミニウム粉末が含まれます。RAMプロセスにより、以前は溶接不可能で、したがって印刷不可能だったアルミニウム合金が、金属3Dプリント用の材料として利用可能になります。
  • EOS Aluminium Al2139 AMは、プリンターおよび材料メーカーのEOSが3Dプリントのために開発した独自のアルミニウム合金で、最大200ºCの高温でも性能を発揮するように設計されています。2021年に発売されたこの合金は、EOSの顧客に、製造部品の強度を損わず、重量を大幅に削減する機会を提供することを目的としています(熱処理時の引張強度は約500 MPa)。
  • Aheaddは、材料会社Constelliumがレーザーパウダーベッド融合プロセス用に最適化した2種類のアルミニウム粉末です。Aheadd CP1は、純アルミニウムに近い熱伝導性と電気伝導性、高い延性、優れた表面仕上げ特性を含む多くの利点を持っています。この合金は、非常に高い印刷速度と後処理の簡易さゆえ、他の3Dプリント技術に対してもコスト効率の良い代替品です。これにより、Aheadd CP1は、急速ラピッドプロトタイピングと連続生産の両方に適した解決策となります。
  • S220 AMは、スウェーデンの会社Granges Powder Metallurgyによって2022年に発売された、レーザーパウダーベッド融合用の新しいアルミニウム合金です。S220アルミニウム合金は、高いシリコン含有量、低密度、そして低熱膨張係数を提供しますが、現在は造形サービスとしてのみ利用可能です。
  • Kymera’s ECKA GranulesのCustAlloyアルミニウムは、レーザーパウダーベッド融合用に設計されており、特に自動車用途において有益だと同社は述べています。これは、従来のアルミニウムと比べてすぐに割れたり、壊れたりしないため、事故や衝突関連の用途が可能になります。この特許取得済みのAl-Si-Mgベースの合金は熱処理可能で、最終用途に応じて高強度または特別な延性を提供します。
3Dプリントされたアルミニウムは、後処理や仕上げも可能。これらの3Dプリントされたフィギュアは、アメリカのMass Finishing, Inc.のCole Mathisenによって仕上げられた(出典:Cole Mathisen)

製造業用の一般的なアルミニウム素材

現在の3Dプリント用アルミニウム合金の多くは、AlSi10Mgのような単純な鋳造合金です。これらのアルミニウム合金は特に強度が高いわけではなく、高温にも耐えられません。しかし、その機械的特性は幅広い用途に適しており、材料は「溶接可能」であるため、割れることなく3Dプリントに使用できます。これらの材料の特性は、金属3Dプリントにおいて一部の企業が求める条件は満たすかもしれませんが、航空宇宙業界や先進製造業界などの企業はさらに高度な条件を求めています。

市場にはいくつかの異なるタイプのアルミニウム合金がありますが、ここで3Dプリントで使用される一般的なものをいくつか紹介します。

AlSi10Mgは最も一般的なアルミニウム合金で、十分な強度、硬度、動的特性を備えています。その軽量性は優れた熱特性を支え、複雑な形状での使用に適した強固な製造性を持っています。使用例にはハウジング、ダクトワーク、エンジン部品、生産工具などがあります。

AlSi7Mg0は、アルミニウム、シリコン、少量のマグネシウムを組み合わせて作られ、細かい物体や複雑な形状に適した耐久性が高く軽量な合金です。良好な強度/質量比や熱特性を必要とする用途に使用されます。

Al 6061およびAl 7075は3Dプリントに適していないと考えられていましたが、メーカーは印刷に成功し始めており、ナノ粒子の融合による進展が見られます。

6000シリーズの合金は、電気・電子部品の伝統的な製造で最も人気のあるものの一つとされる特性を持っています。これらは延性があり、熱伝導率、電気伝導率が高く、耐食性に優れています。6061は、マグネシウムとシリコンを含む析出硬化型アルミニウム合金です。

7000シリーズの合金粉末は高い亜鉛含有量を持ち、より高い強度のための優れた機械的特性で知られ、熱処理が可能です。7075は、航空機部品などの高応力構造部品に最も一般的に使用され、多くの標準的な構造用鋼よりも強度があります。

アルミニウム部品を注文する

Sculpteoでオンデマンド造形したアルミニウム部品(出典:Sculpteo)

金属3Dプリンターへの投資は決して小さな決断ではなく、適切な注意を払う一環として、サンプル部品の注文を行えます。メーカーから注文できますが、このリストにある多くのプリンターメーカーもオンデマンド造形サービスを提供しています。小規模なプロジェクトや一点もの、あるいはテストのために、金属3Dプリントサービスに3Dプリントを外注することで、システムの運用にかかる資本コストと間接費を大幅に節約できます。

>> ALL3DPの記事「Craftcloud 3D Printing Marketplace – Simply Explained」を読む <<

プロトタイプであれ、最終的な機能部品であれ、ユニークなスペアパーツであれ、芸術作品であれ、カスタムプリントされた部品が必要な場合でも、金属3Dプリンターを備えたサービス事業者の数が増えています。選択肢が多いため、最適な価格や配送オプションを見つけるために数週間を費やすこともあります。幸いなことに、Craftcloudのように、3Dモデルをアップロードし、複数のサプライヤーから見積もりを受け取り、最適なものを選ぶことができる3Dプリントサービスのマーケットプレイスがいくつかあります。これにより、さまざまなサービスプロバイダーからの選択肢が広がり、より効率的に最適なサプライヤーを見つけることが可能になります。

>> ALL3DPの記事「The Best Metal 3D Printing Services in 2023」を読む <<

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チタンの3Dプリント完全ガイド|『All3DP Pro』翻訳・転載記事 http://make.vntkg.com/blog/material/international-titan/ Wed, 07 Feb 2024 07:00:00 +0000 http://make.vntkg.com/blog/?p=8675 ※ この記事はAll3DP.com掲載のJuan C. Colombo-Pulgarín氏による記事「Titanium 3D Printing – The Ultimate Guide」を翻訳・転載したものです。

チタンは3Dプリントで最も一般的に使用される金属の一つであり、航空宇宙、人工関節や外科用具、レースカーや自転車のフレーム、電子機器などの高性能製品で広く使用されています。

チタンおよびチタンベースの合金は、高い機械的強度、高い強度対重量比、ステンレス鋼よりも優れた耐食性を持つことで高く評価されています。この素材はロケットや飛行機を軽量化し、燃料を節約し、搭載能力を向上させます。また、スマートフォンやVRゴーグルなどの電子機器を軽量化します。医療用インプラントにも同様です。そして、3Dプリントでチタンを使用する際のユニークな特性とチタンの固有の資質を組み合わせると、その利点はさらに増大します。

3Dプリントされたチタンの部品:GE Additiveのファンブレード、Arcam Darkerのロケット先端部、3D Systemsのラティス構造部品、EOSのブラケット、Zenith Tecnicaの外科用脊椎インプラント

3Dプリントは、この高価な金属のより効率的な製造を可能にし、原材料の消費を減らし、廃棄物も少なくします。金属の3Dプリントは通常、部品の製造に最低限必要な量の材料と、比較的少量のサポート用材料のみを使用します。

また、3Dプリントは内部チャネルや、他の製造方法では不可能な空洞や格子状のインフィル部品など複雑なデザインを可能にし、重量を減らします。金型や特殊な工具が不要なため、チタンの3Dプリントは、患者ごとに個別のインプラントや試作品、研究用ツールなど、一点ものの部品のコスト効率の良い製造を可能にします。

3Dプリントされたチタンは、製造業、医療、宇宙探査など、数え切れないほどの分野で先進的に活用されています。チタンが3Dプリントに適している理由と、現在どこで使用されているかを見てみましょう。

>> ALL3DPの記事「Lockheed Martin 3D Prints Titanium Domes for Satellite Fuel Tank」を読む <<

誰が何のためにチタンを3Dプリントしているのか?

2023年、Panerai は3Dプリントされたチタン製のケースを備えた腕時計「Submersible S Brabus PAM01283」を発売(左)。Holthinrichs Deconstructedは初めての3Dプリントされたチタン製腕時計を発表した(右)

現在、チタンで3Dプリントを行っているのはどのような企業でしょうか?それは、医療機器や高性能な自転車、高級腕時計、消費者向け電子機器などを製造する幅広いメーカーたちです。これらの企業に共通しているのは、革新的で、しばしばカスタムされたデザインを求め、軽量で強度の高い製品を提供するニーズがあることです。

精密製品、電子部品

3Dプリントは非常に薄い壁や、複雑で精巧なチタン部品を作り出すことができます。そのため、PaneraiやHolthinrichsの時計ケースのような製品に使用され、Apple Watch Ultraの今後の部品の一つになるとも噂されています

2023年に発表された折りたたみスマートフォン「Honor Magic V2」には、3Dプリントされたチタン製のヒンジシフトカバーが使用されている(出典:Honor)

2023年、スマートフォンメーカーのHonorは、3Dプリントされたチタン製のヒンジシフトカバーを搭載した新型折りたたみスマートフォン「Magic V2」を発表しました。このカバーは以前のアルミニウム版よりも軽量で、150%強度が高いとされています。同社は、この小さなチタン部品が、数万個単位で3Dプリントされることが、製品の耐久性や、滑らかに折りたたみ展開できる鍵であると述べています。

医療用、歯科用インプラント

アメリカに拠点を置くOrthofix Medicalの3Dプリントされたチタン製インプラント「Construx Mimi Ti Spacer System」は、2021年に米国FDAの承認を得た(出典:Orthofix)

医療業界において、3Dプリントされたチタン製インプラントは、脊椎、股関節、膝、四肢などの分野で成功を収めています。これは、チタン固有の生体適合性と優れた機械的特性に加え、3Dプリントによる多孔質構造の調整能力(骨との統合を可能にする)と、患者ごとのマスカスタマイゼーションが可能であることが、良い結果をもたらすからです。

3Dプリントされたチタン製インプラントは、規制当局の承認と需要の両方で増加しています。既存のほとんどの医療インプラントは、同じ状態の大勢の人々に適合するように製造されているため、すべての人に理想的にフィットするわけではありません。珍しい状態に苦しむ人々はしばしば見落とされがちです。しかし、今では3Dプリントにより、個々の患者専用に設計されたインプラントを製造することが可能になりました。

2023年に、イングランドの外科医が同じ日に4件の手首の手術を行い、以前に骨折した手首の骨の変形を患者特有の3Dプリントされたチタン製プレートで修正しました。「この計画がスタートするとと、オーダーメイドのプレートが粉末チタンを用いて3Dプリントされ、テストを経て英国に出荷され、カウンティ病院で滅菌されたのち、手術で利用可能になります」と、University Hospitals of North Midlandsで手と手首の外科のコンサルタント整形外科医・臨床リーダーを務めるAkshay Malhotra氏は述べています。

CoreLinkの3Dプリントされたチタン製ネジは、骨の成長を促進する多孔性の構造を持つ(左)。The FingerKit Consortiumによる新しい患者特有のチタン製指関節(右)

がん患者が肋骨を破壊する腫瘍に苦しんでいた際、インドのManipal Hospitalsの医師たちは2022年に3Dプリントされたチタンに目を向けました。この規模のインプラントは一般的に人間の体にとって重すぎますが、チタンの軽量性と高い強度により、患者特有の代替品が3Dプリントされ、その重量は250グラム未満でした。3Dプリントされたインプラントの成功により、患者は完全に回復し、外部の機械の助けを借りずに通常の生活に戻ることができました。

患者に合わせて3Dプリントされたチタン製の距骨を使用した足首骨置換手術の試験では、患者から肯定的な結果が報告されました。骨の置換により、患者は足首関節全体の置換を必要としなかったのです。距骨は非常に個別性が高い解剖学的特徴を持つため、患者のCTスキャンデータに基づいてユニークに設計された3D部品が必要でした。

2023年には、米国FDAによる3Dプリントされたチタン製インプラントの重要な承認があり、主に脊椎インプラントが対象となりました。

自転車

チタンで3Dプリントすることにより、 Angle Cycle Worksは新しいHeaven cycleの重量を大幅に削減し、デザインを最適化した(出典: Angle Cycle Works

重量が1オンスごとにカウントされ、高強度が最優先される高性能自転車では、3Dプリントされたチタンの使用がほぼ一般的です。クランク、ブレーキハンドル、ステム、ディレイラーハンガー、さらにはフルフレームに至るまで、チタンはアルミニウムのように強く、カーボンファイバーのように軽いことが証明されており、カーボンファイバーが抱える持続可能性の課題も抱えていません。

自転車メーカーのCarbon Waspは、アルミニウムやカーボンファイバーを廃止し、最新の改造用クランクアームに3Dプリントされたチタンを採用した理由を述べています。「クランクをギアボックスの軸にクランプするための様々な方法を考えましたが、常にいくつかの金属インサートを含める必要があったのです……しかし、カーボンにインサートを接着することには無数の問題がありました」。いくつかのプロトタイピングを経て、Carbon Waspはラティス構造で3Dプリントされたチタン製クランクがカーボンと同じくらい軽く、衝撃を受けやすい領域でもより堅牢であることを発見しました。「私たちは依然としてカーボンファイバーがフレームなど多くの用途に最適な材料だと考えていますが、すでに他のチタン製品にも取り組んでいます」。

フルフレームについて言えば、自転車メーカーのAngel Cycle Worksは、軽量な一体型のチタンフレームを3Dプリントしており、レースの時間を決定的な秒数短縮し、新しい幾何学的なデザインを可能にしていると述べています。その新しい自転車「Heaven」は、以前のバージョンより400g軽くなっています。また、Pilotが今年発売した「Pilot Seiren」という別のフルチタンフレームもあります。このロードバイクは、チタンで3Dプリントされたフレーム(3パーツで構成される)を特徴としています。同社は、3Dプリントされたチタンにより、ライダーの好みに合わせてバイクをカスタムフィットすることが可能で、フレームに塗装やコーティングが必要ないと述べています。

Mythosは写真左のハンドルバーを含む、様々な3Dプリントされたチタン部品を顧客に提供している。Verve Cyclingは写真右の新しい3Dプリントされたチタン製クランクを展開している

「3Dプリントにより壁の厚みを薄くでき、ストレスのない軽量で強力なフレームを実現します」と、PilotのTim Blankers told氏は自転車サイトのRoad.ccに語りました。「フレームの重量は1キログラムをわずかに上回る程度。Pilotは、パワー伝達を最適化するために、剛性が望まれる場所に材料を追加することもできます」。

2023年には、サイクリング用の3Dプリントされたチタン部品が市場に多数登場し、その中には豊富な製品が含まれています:

  • Silcaは2023年、チタン製ディレイラーハンガーのシリーズを含む3Dプリント製品の最新ラインを発表した。
  • Verve CyclingMetron Additive Manufacturingは、InfoCrank 3D Tiと呼ばれる3Dプリントチタン製クランクを発表した。
  • Mootsは新しいRoutt CRD gravel バイク用の3Dプリントチタン部品とアクセサリーを発表した。
  • Canyon は、米国の持続可能な3Dプリント・チタンのスペシャリストであるIperionXとのパートナーシップを発表し、同ブランドが近々チタン3Dプリントパーツをリリースする可能性を示唆した。
  • Cane Creekは、カーボン製クランクセットと同等の軽量性を持ちながら、アルミ製クランクセットと同等の耐久性を持つ、チタン3Dプリント製Electric Wingsクランクを発表した。

航空宇宙業界

GKN Aerospaceはテキサスの施設に新しい大型チタン3Dプリンターの追加を計画している(出典:GKN Aerospace)

航空宇宙産業では、現在、商業用および軍事用にいくつかのチタンベースの3Dプリント部品が使用されており、多くの他のプロトタイプがFAA認証に向けて進んでいます。3Dプリントされたチタンは、その低い「バイ・トゥ・フライ(buy-to-fly)」比率から重宝されています。これは、航空宇宙用語で、初期材料の重量とプリントされた部品の重量の相関を指します。

Primus Aerospace、StarHagen Aerospace、Zedaなど、航空宇宙、防衛、宇宙市場に特化したいくつかの契約製造業者が、プロトタイピングと最終部品の両方に使用するチタン部品を製造できる3Dプリンターへの投資を行っています。

2023年、GKN Aerospaceは、テキサスに新しいグローバルテクノロジーセンターの一環として巨大な3Dプリントセルを構築する計画を発表しました。ここではチタン製の航空機構造が3Dプリントされる予定です。Cell 3と呼ばれるこのプリンターは、長さ5メートルのチタン部品を製造できます。

NASAは部品を1つだけ必要としていたため、冷たい環境で操作可能な月面展開アームのチタン製スクープを3Dプリントすることは、従来の製造方法よりもはるかに理にかなっていた(出典:NASA Jet Propulsion Laboratory)

製造業

他業種とは異なる理由で3Dプリントされたチタンを採用している半導体メーカーASMLは、チタン製のプリフォーム搬送トレイ(ウェハ製造に使用する)を鍛造ではなく3Dプリントで製造することで、原材料を64%節約し、より迅速な納品を行っています。金属3Dプリント企業のNorsk Titaniumは、DED(指向性エネルギー堆積法)プラットフォームを使用して、Ti64から80キログラム(約176ポンド)のニアネットシェイププレフォームを製造しています。こちらも半導体のウェハ製造に使用されます。

Norskは、オランダのパートナーであるHittech Groupと協力してこのプレフォームを開発しました。Norskによると、これはASMLのリソグラフィーシステムで使用されています。オランダに拠点を置くASMLは、過去数年間のチップ不足の文脈で世界で最も頻繁に議論される企業の一つです。特に、ASMLは世界唯一の極端紫外線(EUV)光リソグラフィーマシンを製造していることで最もよく知られています。

ワシントン大学で製造された3Dプリントされたチタン製ホイールハブマウント(出典:ワシントン大学)

アメリカ海軍も、時間と費用の節約、外国のサプライチェーンへの依存排除のために3Dプリントされたチタンを利用し始めています。高性能遠心ポンプに必要な大型のチタン鋳造品を国内で製造する能力がない海軍は、長いリードタイムと高コストで炭素集約型のチタン原材料を利用するサプライチェーンに悩まされていました。しかし、リサイクルされたチタンパウダーを扱うIperionXや、Carver Pumpといった新しい国内パートナーとともに、海軍は重要な部品のリードタイムを大幅に短縮し、装備の可用性を高め、アメリカのチタン金属サプライチェーンを持続可能なかたちで築き始めています。

チタンを知る

チタンの粉末(出典:PyroGenesis Additive)

純チタンは一般的にエンジニアリング用途には使用されませんが、膝や股関節のインプラントなど、バイオメディカル市場の部品にはよく使用されています。チタンベースの合金(金属成分が特定の割合で混合され、特定の機械的特性を提供する)は、特定の部品特性を達成する必要がある幅広い産業で使用されています。長年にわたり製造業者に鋳造用チタンを供給してきた金属材料サプライヤーは、現在、3Dプリント用に調整されたチタン粉末を提供しています。

Virtual Foundryを含むいくつかの企業から、押出ベースの熱溶解積層方式(FDM)用のチタンフィラメントが入手可能です。この材料には、PLAに埋め込まれた金属パウダーが含まれており、押出温度が205°C以上のFDMプリンターで印刷することができます。ポストプロセスと焼結処理を経たこれらのフィラメントは、90%以上が金属となる部品を製造でき、プロトタイプに適しています。金属フィラメントを探している場合は、グレーの色を指すだけで「チタン」と呼んでいるものに注意してください。

ワシントン大学のWashington’s Joint Center for Deployment and Research in Earth Abundant MaterialsにあるThe Metal 3D Printing Labでは、チタンを使用して部品を製造している(出典:ワシントン大学)

3Dプリント用のチタン

  • チタン6Al-4V、グレード5は、3Dプリントで最も一般的に使用されるチタン合金であり、航空宇宙や自動車分野、軍事用途のプロトタイプや機能部品に最適です。また、複雑な形状や精度を必要とする部品や生産工具の製造にも優れた素材です。
  • チタン6Al-4V、グレード23は、医療用インプラントや義肢に一般的に使用される生体適合性の合金です。
  • チタンベータ21Sは、Ti-6Al-4Vなどの従来のチタン合金よりも高い強度を示し、Ti-15V-3Crなどの従来のチタン合金に比べて優れた酸化抵抗性とクリープ抵抗性を持ちます。グレード21のチタンは、どのチタン合金よりも低い水素吸収効率を持っています。これは、整形外科用インプラントや航空機エンジン用途に最適な候補です。ベータチタンは矯正歯科で広く使用されています。
  • Cp-Ti(純チタン)、グレード1、2は、人体との生体適合性のため、医療分野で幅広い用途に広く使用されています。
  • TA15は、アルミニウムとジルコニウムを添加した近アルファチタン合金です。TA15製の部品の高い比強度と、それに伴う高い耐荷重性と耐温性により、航空機やエンジン製造における高負荷部品に使用されます。

>> ALL3DPの記事「Metal Powder for Metal 3D Printing – Buyer’s Guide」を読む <<

チタンのサプライヤー

3Dプリント用に特別に調整されたチタンおよびチタン合金は、粒子サイズや純度の範囲で、材料メーカーから幅広く提供されています。以下のようなメーカーと素材が含まれます:

  • Carpenter Technology: TI 6AL-4V ELI
  • Heraeus: Ti6Al4V Gr.5 and Gr.23
  • Sandvik: Osprey TI-6AL-4V Gr.5 and Gr.23
  • GKN: CPTi – Gr.1 and Gr.2, Ti64 – Gr. 5 and Gr. 23, Ti6242, Ti5553, Beta 21S
  • AP&C (a GE Additive company): CPTi – Gr.1 and Gr.2, Ti-6AI-4V Gr.5 and Gr.23, Ti-6Al-2Sn-4Zr-2Mo, Ti-5Al-5V-5Mo-3Cr
  • AstroAlloys: TruForm Ti-6Al-4V Gr.5 and Gr.23, Ti-48Al-2Nb-2Cr, Ti-6Al-2Sn-4Zr-2Mo
  • Uniformity Labs: Ti64 Gr.23
  • Tekna: Ti64
  • PyroGenesis Additive: CPTi – Gr.1, Ti-6AI-4V Gr.5 and Gr.23
  • IperionX: recycled Ti

チタンを3Dプリントする方法

軽量自転車部品のプリント後に、Trumpf TruPrint 3000内で再利用のために未使用のチタンパウダーを掃除するプロセス(出典:Trumpf

チタンベースの合金を加工するためのいくつかの金属3Dプリント技術がありますが、粉末チタンを使用するパウダーベッドフュージョン方式(レーザーパウダーベッド、電子ビームパウダーベッド)が最も一般的に利用されています。

コンサルティング会社Ampowerは「チタン3Dプリント部品の大部分はパウダーベッド技術を使用して製造されます。パウダーベッド方式は、航空およびレース用の軽量部品や医療用インプラントの製造に使用される一方で、バインダージェットは通常、チタンからのより小さな医療器具の製造に使用されます」とレポートしています。

レーザーパウダーベッド融合(出典:GE)

レーザーパウダーベッド融合(LPBF)、または選択的レーザー溶解(SLM)とも呼ばれる造形方式は、高出力レーザーを使用して金属粉末を加工します。LPBFは、焼結した層に材料の層を重ねていくことで部品を製造します。処理されるチタンベースの合金の特性に基づいて、LPBFの処理パラメータは最適化され調整されなければならず、多孔性、微細構造、および最終的な材料特性を制御する必要があります。

電子ビームパウダーベッド融合(EB PBF)、または電子ビーム溶解(EBM)とも呼ばれる方式は、LPBFとプロセスが似ていますが、レーザーの代わりにより高出力の電子ビームを使用します。Ampowerによると、電子ビームによる加工の温度の高さは、単一層の冷却を遅くし、その結果、LPBFに比べて微細構造が粗大になります。

パウダーベッド方式において、金属3Dプリンターは金属粉末のベッドから作業を開始し、一層ずつ選択的に造形していきます。すべての幾何学的情報は、3Dモデリングソフトウェアで作られたCADモデルからプリントシステムに与えられます。粉末材料は、主に粒子形態(不規則または球状)や粒子サイズ分布などの特徴によって特徴付けられます。3Dプリント中に粉末の良好な流動性を確保するためには、球状形態が望まれます。粉末の製造プロセスがその最終的な特徴を決定し、金属粉末はガス原子化、回転原子化、プラズマ回転電極プロセス、水原子化によって製造することができます。結論として、品質の高い粉末は品質の高い部品を生産します。

チタンに適した他の付加製造方法には、直接エネルギー堆積(DED)、迅速プラズマ堆積(RPD)、結合剤噴射(バインダージェット)方式が含まれます。

チタン対応3Dプリンター

Arcam EBM Spectra LとRenishaw RenAM 500Qはいずれもチタンで印刷するプリンター

現在の3Dプリンティングシステム市場では、様々なチタンベースの合金を加工するための金属3Dプリンターが幅広く提供されています。

粉末焼結 (PBF, powder bed fusion)

  • 3D SystemsはいくつかのPBF 3Dプリンターと互換性のある3種類のチタン材料を提供している。
  • EOS は4種類の金属粉末床融合3Dプリンタで使用できる5種類のチタン材料を提供している。
  • GE AdditiveはSLM 3DプリンターのConcept Laserラインにチタンとチタン合金を提供している。
  • SLM Solutions は選択的レーザー溶解3Dプリンターシリーズに3種類のチタン合金を提供している。
  • Velo3DはPBF 3Dプリンターにチタンソリューションを提供している。
  • Trumpf のレーザー金属溶融3Dプリンターは、チタン部品製造用に設計されている。
  • Renishaw の金属3Dプリンターは、医療・歯科分野のチタン製パーツの製造に人気がある。
  • AddUpのFormUp350レーザー金属融合3Dプリンタはチタンに対応している。

結合剤噴射(Binder Jetting)

  • Digital Metal は結合剤噴射方式の3Dプリンタで1種類のチタン合金を提供している。
  • Desktop Metal はStudio、Xシリーズ、Production Systemプリンタでチタンを提供している。

電子ビーム (EBM, Electron beam melting)

  • GE Additive はEBM 3Dプリンターにチタンとチタン合金を提供している。

コールドフージョン(Cold fFsion)

  • Spee3Dは2022年、チタンを3Dプリントできるようになったと発表した。

材料押出方式(FDM, Fused Deposition Mosdeling)

  • Desktop Metal は Bound Metal Depositionという技術を使って、3台のプリンター用にチタン合金を充填した独自のフィラメントを提供している。
  • Meld Manufacturingは、大型部品に特化した独自の技術を持つ。

3Dプリントチタンの特徴

Atherton Cyclesによるチタン3Dプリント部品 (出典: Atherton)

パウダーベッドプロセスにおける重要な懸念事項の一つは、材料の微細構造がプリント中にどのように進化し、エネルギー密度と伝達される熱が材料の結晶格子とどのように相互作用するかということです。この相互作用は、レーザービームまたは電子ビームが原料に伝達する時間依存の温度プロファイルに反映されます。

3Dプリントはチタンを多面的かつ複雑な熱処理サイクルにさらし、材料の機械的特性に影響を与えます。これらの間の傾向や関係を確立することは難しいです。なぜなら、各プリンターごとに特徴は異なり、材料ごとの特性も変わるため、調整するための範囲が広いからです。この分野では最近多くの研究が行われており、ほとんどは3Dプリントされたチタン部品の優れた構造に言及しています。

2021年3月、金属3DプリンターメーカーのMELD Manufacturingは、そのプロセスが鍛造材料に対するASTMおよびAMS標準要件を満たすチタンを製造することを確認したデータを公開しました。

チタン3Dプリントに特化した製造メーカーである Zenith Tecnicaは、カスタマイズされたチタン部品を提供している(出典: Zenith Tecnica)

このデータは、国立製造科学センター(NCMS)、Army Research Laboratory (ARL)、および高度製造材料プロセス(AMMP)とのプログラムを通じて生成されました。テストには、Ti-6Al-4V(Ti64)材料、またはASTMグレード5としても知られている材料が使用されました。

このデータは、印刷された材料がASTM基準で指定されているすべての軸で、特にプリント層を通じてZ方向で、降伏強度、最終引張強度、および伸びの最小要件を超えることを強調しています。

医療機器メーカーが生産能力を重視して3Dプリントの採用を増やすのに合わせ、米国FDAが承認したチタンベースの3Dプリント外科用インプラントの数は増加し続けています。

チタンの部品を注文する

チタン3Dプリントに特化した契約製造業者であるZenith Tecnicaは、GE Arcam EBM 3Dプリンターで部品を製造し、その後のポストプロセス処理と検査を行う(出典:Zenith Tecnica

チタン部品用の金属プリンターを購入することが現実的でなくても、多くの3Dプリンティングサービスがこの材料を扱っていますし、一部はデザインサービスも提供しています。注文する際には、使用する合金について必ず確認してください。なぜなら純チタンは特別に注文する必要があるかもしれないからです。

Craftcloud by All3DPでは、ファイルをアップロードし、チタンを選択して、サードパーティの3Dプリンティングサービスから見積もりを受け取ることができます。Stratasys3D SystemsEOSなどのいくつかのプリンターメーカーおよび、Sandvikなどの材料メーカーが、チタンのオンデマンドサービスを提供しています。

>> ALL3DPの記事「The Best Metal 3D Printing Services in 2023」を読む <<

チタンのインプラントと外科用ガイド

カスタムインプラント用の3Dプリントされたチタンが迅速に規制承認を得ている中、従来の医療機器メーカーやZenith Tecnica4Web Medical、Camber Spine、Amnovis、Nexxt Spineなどの3Dプリントに特化したスタートアップ企業が、こうしたサービスを提供しています。

最近、ProMade PoC Center for Complex Orthopedic Solutionsは、医療機器会社が病院内で運営する初の複雑な症例のためのPOCセンターとして話題となりました。イタリアの企業であるLimaCorporateは、複雑な整形外科ソリューションのデザインと3Dプリンティングに特化しており、ニューヨークの特別手術病院(HSS)と提携し、臨床ケアと生体力学工学の専門知識を一箇所に集めています。

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【国内最安値級】金属素材が74%OFF!金属3Dプリントはvntkg.makeで! http://make.vntkg.com/blog/news/metal74%ef%bc%85off/ Thu, 01 Feb 2024 03:00:34 +0000 http://make.vntkg.com/blog/?p=8904 vntkg.make 3Dプリントでは、新たな高性能金属素材の提供開始を記念して2024年2月1日(木)より、金属素材のアルミニウムおよびステンレス素材が従来価格の74%OFFとなるキャンペーンを開催いたします!

そこで今回は、キャンペーンの概要と新素材の特徴をご紹介します。

キャンペーンの概要

キャンペーン期間

2024年2月1日(木)10:00~ 2024年11月30日(土)23:59(予定)

※キャンペーン期間は、予告なく変更または終了する場合がございます。

対象素材

  • アルミニウム|SLM
  • ステンレス|SLM

上記2種類の素材が対象となります。
各素材の特徴はこちら↓

アルミニウム|SLA

aluminum-slm_main_1
AlSi10Mgという鋳造部品にも使われるアルミ合金素材です。

【ポイント】

  • 電気伝導性や熱伝導性、耐食性に優れている
  • 必要に応じて機械加工や溶接、研磨などが可能

ステンレス|SLM

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SUS316Lというステンレス素材です。

【ポイント】

  • 高い引張強度、優れた耐熱性および耐腐食性
  • 自動車から工業製品まで、さまざまな用途に利用可能
どちらの素材も従来工法に比べ設計の自由度が高く、量産も可能です。
また、0.04mmの積層ピッチで造形されます。

価格比較表

値下げ率はモデルによって異なりますが、参考価格は以下の通りとなります。

旧価格新価格値下げ額値下げ率
アルミニウム|SLA22,644円5,838円16,806円74.2%
ステンレス|SLM35,541円9,239円26,302円74%

 

【新素材】ステンレス17-4PH|SLM
ステンレス17-4PH

17-4PHという析出硬化系ステンレスで、SUS304と同等の耐熱性と耐食性を有しています。
優れた強度と耐食性を誇るステンレス鋼であり、航空宇宙、自動車、医療機器などの分野での活躍が期待されています。

【基礎】金属3Dプリンターの仕組みや対応素材、おすすめの使い道を紹介!

まとめ:金属素材でものづくりの可能性を広げよう

強度と軽量性から多くの産業で利用されているアルミニウムとステンレス。

vntkg.make 3Dプリントは、これらの新素材を用いてより高度な製品の製造を可能にし、お客様の革新的なプロジェクトをサポートいたします。

ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。

キャンペーン詳細ページはこちら

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3DCGとは?作り方・おすすめ無料ソフト・勉強法をやさしく解説!3Dプリントまでの道 http://make.vntkg.com/blog/3ddata/3dcg/ Mon, 29 Jan 2024 22:00:34 +0000 http://make.vntkg.com/blog/?p=8837 3DCGとは?

3DCG(スリーディー・コンピュータグラフィックス)とは、コンピュータを使用して生成される3次元の画像やアニメーションを指します。
この技術は、映画、テレビ番組、ビデオゲーム、アーキテクチャ、医療など、幅広い分野で活用されています。3D CGは、現実の物体や環境をデジタル上でリアルに再現することが可能で、モデリング、テクスチャリング、ライティング、アニメーション、レンダリングなど、多岐にわたるプロセスを経て作成されます。

そもそもCGとは…

CG(コンピュータグラフィックス)は、コンピュータを用いて作成される画像や映像の総称です。これには、静止画だけでなく動画も含まれ、2次元(2D)と3次元(3D)の両方があります。2D CGは、平面的な画像を生成し、イラストレーションやフォトレタッチング、ウェブデザインなどに使われます。一方、3D CGは立体的な画像を生み出し、より複雑でリアルな表現が可能です。
CGの進化により、現実を忠実に再現することができるようになり、エンターテインメントから教育、科学研究まで、その用途は日々広がっています。

ゲーム・アニメーション業界や医療業界で幅広く使われている

3DCGは、ゲームやアニメーション業界をはじめ、さまざまな分野で広く活用されている技術です。以下に、3DCGの特徴と各業界での具体的な活用事例を紹介します。

【ゲーム業界】

  • バーチャルリアリティ(VR)と拡張現実(AR)の組み合わせ
    ゲーム業界では、VRやAR技術を利用して没入型のゲーム体験を提供しています。例えば、ポケモンGOはARを活用し、実際の世界にポケモンを表示して捕まえる新しい体験を生み出しました。
  • エンジン技術の進化
    Unreal EngineやUnityなどのゲームエンジンが進化し、開発者はよりリアルなグラフィックスと物理演算を利用できるようになりました。これにより、ゲームの没入感とリアリズムが向上しています。
  • クラウドゲーミング
    ゲームのストリーミングサービス(例:Google Stadia、NVIDIA GeForce Now)が登場し、高性能なハードウェアを持たなくても高品質なゲームを楽しむことが可能になりました。

【アニメーション業界】

アニメーション業界では、バーチャルユーチューバー(Vtuber)として知られる3Dキャラクターの制作と動かし方が注目を集めています。Vtuberはバーチャルキャラクターを人間がリンクさせて動かし、YouTubeなどで活動するユーチューバーのことです。この技術は特にエンターテインメント分野で広く用いられ、新しいファン層を生み出しています​​。
アニメーション業界では3D CGの技術を使って、高度なキャラクター作成と動きを実現しています。ここでは、そのプロセスと一般的なツールについて説明します。

  1. 絵を書く
    イラストを描いてキャラクターのデザインを決定します。正面、横、後ろの三面図を用意することで、次のステップである3Dモデリングに役立ちます。
  2.  3Dキャラを作る
    BlenderやVroidなどの3Dモデリングソフトを使用して、2Dのイラストを基に3Dモデルを作成します。Blenderは無料で使える多機能なツールで、Vroidは絵を描く感覚で簡単に人型の3Dモデルを作れるツールです。
  3. キャラを動かす
    作成したキャラクターを動かすためには、webカメラ、iPhone、Realsense、VRゴーグル、モーションキャプチャの機械など、様々な機材やソフトウェアが使用されます。それぞれにメリットとコストがあり、プロジェクトの要件に応じて選択されます​​。

参考:http://cgbox.jp/2018/06/28/post-2441/#index_id2

【医療業界】

医療業界では、Unityなどの3D技術を使って、病気の診断や手術の計画をよりわかりやすくするためのツールが開発されています。例えば、医療画像を簡単に3Dで見られるアプリを使って、医者が患者の体内を詳しく調べられるようになったり、手術前にシミュレーションを行うことで、より安全で効果的な治療を行えるようになっています。

参考:http://cgworld.jp/feature/201805-unite-03medical.html

3DCGと3DCADの違い

3DCGと3DCAD(3D Computer-Aided Design)は、どちらも3次元のデジタル空間で物体や環境を作成・操作する技術ですが、目的と使用される分野が異なります。

【3DCG】
目的:3DCGは主にビジュアルコンテンツの制作に使用されます。映画、ビデオゲーム、アニメーション、またはビジュアルエフェクトのためのリアルタイム、またはフォトリアルな画像や動画を作成するのに使われます。
特徴:アーティスティックな要素が強く、見た目の美しさやリアリティ、表現力が重視されます。キャラクターデザイン、環境構築、質感の作成など、クリエイティブな作業が多いです。
ソフトウェア例:Maya、3ds Max、Blenderなど。

【3DCAD】
目的:3DCADは工学、建築、製造業などで使用される、製品や部品の設計、工程のシミュレーション、技術文書の作成を主な目的としています。
特徴:技術的精度や機能性、製造可能性が重視されます。寸法、耐久性、材料特性など、製品の具体的な仕様を正確にモデリングする必要があります。
ソフトウェア例:AutoCAD、SolidWorks、Fusion360など。

簡単に言えば、3DCGは映像芸術やエンターテインメントの分野で主に使用され、視覚的な美しさや表現を重視するのに対し、3DCADは工学的、または製造的な精密さを要求される分野で使用され、機能性や精度を優先します。

初めてでも分かる3DCAD!無料・業務用おすすめソフト、資格、勉強方法、3Dプリント挑戦までの道

3DCGの作り方、モデリング方法とは?

1. 三面図を用意する

三面図は、作成したいオブジェクトの3つの異なる視点(通常は正面、上面、側面)からの図面です。これは、モデリングの際に寸法や形状を正確に把握し再現するためのガイドとなります。

【やり方】

  1. オブジェクト選定
    まずはモデリングしたいオブジェクトを決めます。初心者の方は、比較的シンプルな形状から始めると良いでしょう。
  2. 参考資料集め
    オブジェクトの実物写真や既存の図面など、参考になる資料を集めます。
  3. 図面を描く
    実物の寸法に基づき、正面、上面、側面から見た図を描きます。専用のCADソフトウェアを使用しても良いですし、手書きでも構いません。大切なのは、各視点からのオブジェクトの形状と寸法が正確に表現されていることです。

【ポイント】
正確な寸法で描くことで、モデリング時のサイズの不一致を避けることができます。
初心者の方は、まずはシンプルな形状のオブジェクトから始めて、徐々に複雑なものに挑戦しましょう。

2. モデリングを行う

モデリングは、三面図を基に3D空間上にオブジェクトを作成するプロセスです。これにより、平面の図面が立体的な形状に変わります。

【やり方】

  1. 3Dソフトウェア選択
    Blender、Maya、3ds Maxなど、多くの3Dソフトウェアがあります。初心者の方は、無料で使えるソフトウェアや、豊富なチュートリアルがあるソフトウェアから始めると良いでしょう。
  2. 基本形状の作成
    3Dソフトウェア内で、立方体や球などの基本形状(プリミティブ)を選び、シーンに追加します。
  3. 形状の調整
    基本形状を移動、回転、スケール変更して、三面図に合わせます。さらに、頂点(点)、エッジ(線)、フェイス(面)を編集して、オブジェクトの詳細を作り上げます。

【ポイント】
最初は時間がかかるかもしれませんが、慣れればより素早く、正確なモデリングができるようになります。初心者向けのチュートリアルを見ながら進めると、使い方やテクニックを自然と覚えることができます。

3. テクスチャ・マテリアルを設定する

オブジェクトが形になったら、次はその表面にリアリティを加えるためのテクスチャとマテリアルを設定します。テクスチャはオブジェクトの「皮膚」のようなもので、マテリアルはその皮膚の質感や光の反射の仕方を決定します。

【やり方】

  1. テクスチャを選ぶ
    木材、金属、布など、オブジェクトの表面がどのような素材かによってテクスチャを選びます。テクスチャは画像として用意され、3Dオブジェクトに貼り付けられます。
  2. マテリアルを設定
    テクスチャだけではなく、光の反射や透明度、粗さなども設定します。これによって、オブジェクトの表面がどのように見えるかを細かく調整できます。
  3. UVマッピング
    3Dオブジェクトにテクスチャを正しく適用するために、UVマッピングという手法を使用します。これは、3Dオブジェクトの表面を2D画像に展開し、テクスチャがどのようにオブジェクトに貼り付けられるかを決定します。

【ポイント】
まずはシンプルなテクスチャから始めて、徐々に複雑なマテリアルの設定に挑戦しましょう。
オブジェクトがどのように見えるかは、テクスチャとマテリアルに大きく依存します。試行錯誤を重ねて理想の外観を探求してください。

4. リギングを行う

リギングは、特にアニメーションを行うキャラクターや動的なオブジェクトに必要な作業です。リギングによって、モデルに動きを与えるための「骨格」を作成します。

【やり方】

  1. ボーンの設定
    リギングの最初のステップは、ボーン(骨格)を作成し、モデルに適用することです。ボーンはモデルを動かすための基本的な構造を提供します。
  2. ウェイトペインティング
    各ボーンがモデルのどの部分を動かすかを設定します。これはウェイトペインティングと呼ばれ、モデルの各頂点に「重み」を割り当てることで、ボーンと連動して動くようになります。
  3. コントロールリグの設定
    アニメーターがモデルを簡単に動かせるように、コントロールリグを設定します。これにより、ボーンを直接操作する代わりに、ハンドルやスライダーを動かしてモデルを制御できるようになります。

【ポイント】
リギングは複雑な作業です。最初はシンプルなキャラクターやオブジェクトから始めて、徐々に複雑なリギングに挑戦しましょう。
アニメーションをスムーズかつリアルに見せるためには、リギングの精度が非常に重要です。細部に注意を払いながら作業を進めてください。

5. レンダリングする

レンダリングとは、3Dモデルを最終的な画像や動画に変換するプロセスです。このステップで、モデリング、テクスチャ、マテリアル、リギングされたキャラクターなどが組み合わされ、最終的なビジュアルが作成されます。

【やり方】

  1. ライト設定
    シーンに光源を設定し、その位置、強さ、色を調整してオブジェクトの照明方法を決定します。これはシーンの雰囲気とリアリティに大きく影響します。
  2. カメラ設定
    シーンをどの角度から撮影するかを決め、焦点距離やフレームの構成などを調整します。これにより最終的な画像の見え方が決まります。
  3. レンダリングオプション
    解像度やアンチエイリアシング、レイトレーシングの品質など、レンダリングの品質を決定します。ビジュアル品質とレンダリング時間のバランスを取ります。
  4. レンダリング
    全ての設定が完了したら、レンダリングを開始します。このプロセスは時間がかかることがあり、コンピュータはシーン内の光の挙動を計算し、最終的な画像を生成します。

【ポイント】
レンダリングは3D CG作成プロセスの最後のステップであり、作品の「仕上げ」にあたります。初心者の方は、最初はシンプルなシーンから始めて、徐々に複雑なレンダリング設定に挑戦することをおすすめします。また、レンダリングに関するチュートリアルやガイドを参考にしながら、技術を磨いていくことが重要です。

【目的別】作りたいものに最適な3Dデータの5つの作り方と注意点

3DCGを製作する上でよく使われているソフト

【Blender】

特徴:Blenderは完全無料のオープンソース3D作成スイートで、豊富な機能と広範なコミュニティサポートを提供し、初心者からプロまで幅広く利用されています。モデリングからアニメーション、ゲーム作成まで、多岐にわたる作業が可能です。
価格:完全無料で利用可能
STL出力:可能
URLhttp://www.blender.jp/

「GrabCAD」「Blender」を用いた3Dデータ作成の具体的な手順は、以下動画にて詳しく説明しております。

【Metasequoia(メタセコイア)】

特徴:メタセコイアは日本で開発された3D CGモデリングソフトウェアで、その直感的で使いやすいインターフェイスと軽量ながら高機能な設計が特徴です。主にポリゴンモデリングを行い、リアルタイムレンダリングやUV展開などの基本機能をスムーズに実行できます。
価格:ソフトウェア本体は無料
Metasequoia 4 Standard:¥5,500
Metasequoia 4 EX:¥20,350
(詳細 http://www.metaseq.net/jp/purchase/
STL出力:可能
URLhttp://www.metaseq.net/jp/

3DCGのおすすめ勉強方法は?

初めて3DCGを勉強される方向けに、おすすめの勉強方法をご紹介します。

3DCGのスクールで学ぶ

特徴:専門のインストラクターによる体系的なカリキュラムで基礎から応用まで段階的に学習し、実際のプロジェクトや課題を通して実践的なスキルを習得できます。また、質問や疑問に対する直接的なフィードバックと充実した学習サポート体制が整っています。

利点:学習環境が整っており、集中して学習に取り組むことができます。
また、他の学生と交流することで、刺激を受けたり、ネットワーキングの機会を得られます。

オンラインで学ぶ

特徴:自分のペースで、好きな時間に学習できます。自分にあった、多種多様なオンラインコース、チュートリアル、フォーラムなどが利用可能です。また、多くのリソースが無料または比較的低コストで提供されています。

利点:忙しい人やリモート地域に住んでいる人でも、アクセスしやすく学習を始めることができます。最新のトレンドや技術に対する情報が常に更新されているため、常に最新の知識を学ぶことができます。

3DCGで作ったものを3Dプリントしてみよう!

3DCGは、趣味から仕事まで、幅広い人々に利用されています。また、自分で作った3Dモデルを3Dプリンターで出力することにより、あなたの思い描いていたものを現実世界に生み出すことも可能です。

vntkg.make 3Dプリントでは、これからものづくりを始めたい人、ものづくりをしている人をサポートしてまいります。3Dデータ作成代行サービスも展開しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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